「HPVワクチン」を知っていますか? このワクチンは、子宮頸(けい)がんを始めとするHPV(ヒトパピローマウイルス)感染症を予防するというものです。過去に重篤な副反応が問題になりましたが、最近になって国が再び積極的に接種を勧める方向となっています。私は今年、接種をしました。なぜワクチンを打ったのか、実際打ってみてどうだったのかお話しします。(高校生記者・ころあ=1年)

1年で2800人が命を落とす病気

接種について初めて考えるきっかけになったのは、市から届いた1枚のリーフレットです。内容はHPVワクチン接種についての説明でした。そのときは、このワクチンがどんなものかさえよくわかっていなかったので、気になって隅から隅まで読みました。

市からワクチン接種のお知らせが届いた(写真はイメージ)

そのリーフレットを読むと、まず「高校1年生まで無料」ということが分かりました。ワクチンは計3回打ち、期間を開けなければなりません。そのため、全て無料で受けるためには、高校1年生の9月末までに1回目を打つ必要があります。

子宮頸がんは、国内で1年に約2800人もの命が奪われる病気で、治療のため1200人が30代までに子宮を失っています。ワクチンを打つことで原因の50~70パーセントは防げることも分かりました。

母と話し合い接種を決断

しかし、このワクチンの日本国内での接種率は先進国の中だとずばぬけて低いのです。調べてみると、このワクチンは過去に重篤な副反応が問題となったことから8年前から積極的な接種の呼びかけが行われていないことが分かりました。

ですが、WHOは2030年までに全ての国で15歳までの女児の接種率を90%にするという目標を掲げています。

これらのことを知って、私は接種を決めました。母親とも話し合って決めました。

注射で血管迷走神経反射「すぐに落ち着いた」

現在2回目の接種が終わっています。心配する人も多い副反応についてですが、私は血管迷走神経反射が2回とも起こりました。

この血管迷走神経反射というのは、緊張やストレスなどで起きる血圧の低下や脈拍の減少などで、めまいや失神が起きることもあります。私のように、注射による刺激によってもなることがあるそうです。

接種して数分たつと、視界が真っ白になり冷や汗をかきました。座っていたのですが、横になってみると落ち着きました。

接種後10分は院内で待機して、症状が収まったためそのまま帰りました。症状は長くは続かないので、帰宅後は特に気にせず過ごすことができました。

副反応が出ても病院が対処してくれる(写真はイメージ)

少し怖く感じる人も多いと思いますが、横になった状態で接種するなど対策はあります。

HPVワクチンの存在を同世代に知ってほしい

副反応も経験しましたが、2回の接種を終えた今、接種したことを全く後悔していません。 

副反応が出たときは、看護師さんが血圧を測ってくれました。安全面では問題ないと、私は思いました。

人によってさまざまな考えがあると思いますが、私は同世代の女の子にHPVワクチンの存在を知ってほしいと思います。そのためには、積極的な接種の呼びかけがなされていなくても、接種について女の子が認知し考えようとする機会が増えるといいと思っています。