悔しいとき、悲しいとき、どうしてもうまくいかないとき……人生の節目にきっと誰もが流してきた涙。そんな人生のワンシーンを、曲で振り返ってみませんか? さまざまな意味で「泣ける曲」を高校生記者に紹介してもらいました。
卒業を目の前に、あふれる想い
Mrs.GREEN APPLE「春愁」
これは私が中学生のときに、合唱祭で歌った思い出深い曲です。
卒業を目の前にした悲しい気持ちを大好きな友達に対して歌っています。春という別れと始まりの季節にたくさんの想いを歌に込めているところに涙がでます。
高校2年生になり、久しぶりにこの歌を聞いた際、当時の教室の感じや友人、今は退職なさった先生との記憶を思い出して泣いてしまいました(笑)(ながたにえん。=2年)
映画とリンクする歌詞にグッとくる
「炎」LiSA
皆さん知っての通り、劇場版「鬼滅の刃無限列車編」の主題歌です。2021年上半期Billboard JAPAN総合アニメソング・チャート「HOT Animation」で興行収入第一位となり話題となりました。
みなさんはこの映画はもう見ましたか? 私は2回見ました。映画を観た後、歌詞が映画のストーリー通りになっている事に気付きました。映画も感動ものだからこそ、そのストーリーの歌詞となると泣けますよね。
歌詞だけでなく、迫力ある曲調からもじーんときてしまいます。ぜひ「炎」聴いてみてください。(ジャクス=1年)
明日も頑張ろうと思える
「閃光」Alexandros
この歌は映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」で使われた曲です。CMやYouTubeの広告で出会いました。リズムがまさに「閃光(瞬間的にきらめく光)」で、歌詞もジンときます。
映画を見ていればなおさらです。この曲を聴くと「明日も頑張ろう」となります。(セイスモサウルス=3年)
人によって聞こえ方がさまざま
SixTONES「Lifetime」
出光興産のCMソングで、完全なバラード曲です。全体を通してボーカルがたくさんいるからこその巧みなハモリが感動を誘う一曲ですが、特に2:01からのサビでのユニゾンが鳥肌モノです。
「あの出会いもあの別れも全てonce in a lifetime (人生で一度だけ)」という歌詞があり、「自分の悩んでいることも一生で一度のことだから少し頑張ってみよう」と思える曲です。
人によって賛美歌に聞こえたり、エールに聞こえたり、寄り添ってくれたりと、誰のどんな状況でも心のもろい部分をじわっと温めて、そっと涙してしまう、珠玉の一曲です。(マリーナ=3年)
優しく救ってくれる歌声
上白石萌音「一縷」
私はこの曲の美しい旋律が好き。「大それた希望なんかじゃなく誰も気づかないほどの小さな光」という歌詞は、「悲しいことやつらいことがあったときに小さな光をもっていよう」と思わせてくれて、以前、救われたのを覚えています。優しくて透明感のある歌声も、この曲の魅力です。(manami=3年)
自分を肯定してくれる曲
「トニカ」omoinotake
このグループは島根発のバンドで、ギターがいない独特な空気感とリズム感が癖になります。今回すすめる「トニカ」は「心を浄化する」ために聴く曲だと思っています。A、Bメロはアップテンポで泣くよりは楽しさが前に出ますが、サビのボーカルの声の高さとバックの横揺れで思わず涙が出てくるのです。
自分が頑張っているのを認めてくれるような、「この日々を越えるため 刻んだ胸を打つ音を今響かせ」という歌詞の最後の伸ばしで涙腺が止まらなくなります。「失恋や悲しくて泣く」ではなく「自分を肯定してくれることに泣く」という新感覚をトニカで味わってほしいです。(めておーら=2年)
勇気付けられる歌詞
「予感」SUPER BEAVER
このナンバーは日々、人間関係や自分らしさなどで悩んでいる(悩んでいなくても)全ての中高生にとってもオススメしたい一曲です。「予感のする方へ 楽しい予感のする方へ」という詩が曲中で繰り返し歌われています。
そして個人的に勇気づけられる所は「予感のする方へ 会いたい自分がいる方へ 他人の目なんて あって無いようなものさ 感性は自由」という一節です。それぞれの”自由”を肯定してくれる、受け止めてくれる、そんな一曲です。(やまと=2年)
夢を諦めそうになった時に
*Luna「アトラクトライト」
たまたまこの曲を聴いたときに涙してしまいました。サビの歌詞「辞めてしまいたい理由なら10も100も1000もあった でもその全てがちっぽけに見える一つがあった」に自分の葛藤を重ねていたからです。
私にはかなえたい夢があります。でも、そのために勉強している高3の今をつらく感じ、「自分には無理かもしれない」と思いかけているときに、今までも「やめたい」と思う度に夢を諦めずに乗り越えてきたことをこの曲は思い出させてくれました。それからつらいときにはいつもこの曲を聴いて、何回も泣かせてもらって、すっきりしています!(マリーナ=3年)
自分なりの解釈ができる歌詞
フジファブリック「茜色の夕日」
この曲は、フジファブリックの元ボーカルギター故・志村正彦さんが上京してすぐに書いた曲です。
すごく素直な歌詞、なぜか胸に突き刺さって離れない歌声。そしてそれらを後ろからぐっと支えるサウンド。少し心に隙間があるときに聴くと、あまりの優しさに泣けてしまいます。
彼の書く歌詞は、「余白が多い」ため自分なりの解釈ができ、ふとした瞬間に歌詞の本質が見えたりします。この曲で私の好きな歌詞は、「東京の空の星は 見えないと聞かされていたけど 見えないこともないんだな」。ぜひ一度聴いてみてください。(しむしむ=2年)