センター試験も終わり、受験生は本格的な受験期に突入しました。また、高2生も、そろそろ本格的に受験勉強をスタートさせようと考えている人が多いのではないでしょうか? そこで今回は、誰もが一度は考える「受験勉強って必要なの?」という疑問に答えます。
 
今月のポイント!
知識は創造力の土台になる!
「時間との闘い」があなたを鍛える!
効率よく知識を吸収できるのが受験勉強!

❶受験勉強って何のためにするの?
 受験勉強はしばしば「受験にしか役に立たない知識」と言われることがある。それなのになぜ、一生懸命勉強をしなくてはいけないんだろうと、釈然としない思いを抱いている高校生もいるのではないだろうか?
 しかし、大学入試がいまだに存続し、今後、さらに進化を遂げようとしているということは、やはり受験勉強で得る知識は必要なものだということがわかる。しかし、その真の姿を知る者は意外と少ない。そこで今月は、受験勉強の正体について、話をしてみよう。
 
 まず、受験勉強の正体を知る前に確認しておきたい事がある。それは、この世のすべてのシステムは知識を有する者が作ってきたということである。例えば、コンビニ。あまりにも身近なため、その凄さに気がつかない人も多いが、全国展開できるほど体系的な巨大システムを構築するためには、どれだけの知識を必要とするのか。考えただけでも気が遠くなりそうである。
 他にも例を挙げればきりがないが、知識を得るということは、新しい何かを創り出す力を得るということ。つまり、受験勉強とは、知識を積極的に身につけ、何かを創造する力を手に入れる土台を作り上げることなのだ。

 

❷受験勉強でなくてもいいのでは?
 知識を得ることが目的なら、受験勉強でなくてもいいのではないか? そう考える人も少なくないだろう。しかし、やはり受験勉強は通常の勉強とは異なる部分が多い。受験の日までの限られた時間の中で、一定量の知識を吸収するためには、「どう進めるか」という工夫も必要になる。そういった時間との闘いの中で、効率よく知識を吸収し、かつ実践的に知識を活用する力を身につけていけるのだ。
 
 また、受験勉強では、得意科目だけでなく、苦手科目にも積極的に挑まなければならない。これは、苦手なものにも自ら挑む姿勢だけでなく、対応策を考える力や、多角的に物事を見る姿勢を身につけるためには非常に有効な手段だといえる。
 大人社会は残酷なまでに「時間」との戦いである。受験勉強という「制限時間」がある勉強は、本当にたくさんのことを、あなたに教えてくれるだろう。

❸受験勉強のココがスゴイ!
 定期試験が終わった途端に、勉強したはずの分野を次々に忘れてしまう人も多いのではないだろうか? それではいけないとわかっていても、昔の内容まで復習する気になれない……。少なくとも、私が受験勉強を始める前はそうだった。受験勉強は一から効率よく積み上げていかないと成績は上がらない。つまり、一から復習していくことで、体系的に効率よく知識を吸収することができる。それが受験勉強だ。
 
 受験勉強を通して得た知識や経験は、大人社会へ入ったときに必ず助けになってくれるものである。未来のあなたを救えるのは、今のあなただけである。受験勉強を通して、あなた自身の未来を創っていってほしい。

今月の言葉 受験勉強は受験のためにあらず!

おおいわ・ひでき
東進ハイスクール・東進衛星予備校の英語科人気講師。大岩先生の明るく楽しい授業で英語アレルギーを克服する生徒が続出!『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』(東進ブックス)、『みんなのセンター教科書 英語』(旺文社)など著書も多数。