もし身近な人が学校に来られなくなってしまったら、どんな対応をすればよいのでしょうか。高校生記者のなおさんに、うつの症状で不登校になった先輩をサポートした話を教えてもらいました。
面倒見のよい先輩が突然……
私がとても仲のよい先輩のことをサポートしたときのことです。
A先輩は部活の女子部長で、毎日休まず部活に来てみんなを引っ張ってくれていました。とても面倒見がよく、部員が困っていると察して話を聞いたり、アドバイスをしてくれたりしました。私もA先輩にはたくさん助けてもらっていました。
そんな先輩が突然、部活に来なくなってしまったんです。
最初は部活だけだったのに、そのうち学校まで休むようになりました。2週間ほど休みが続き、心配して連絡を取りました。
主にストレスが原因で起こる病気になってしまったこと、うつ症状も出ていてしばらく学校に行けないということを、私にだけ教えてくれました。
私ができることは何だろう
その日から私は、先輩の学校復帰をサポートすることになりました。
話すのが難しそうなときには側にいるだけだったり、ぽつぽつと思っていることを話してくれたときには一緒に話をしたりと、2人の時間をつくるようにしました。
しかし、途中からは新型コロナウイルスの影響で、住んでいる地域が遠かった私たちはなかなか直接会うことができなくなりました。そのため、休校中は近況報告や気分転換のためのおしゃべり会など、テレビ電話を何度もして、私なりのサポートを続けました。
最初はつらそうな日が多かった先輩ですが、少しずつ元気そうな日が増えていってうれしかったです。
「大丈夫?」の一言で救われる人がいる
A先輩は休校明けから学校に登校できるようになり、自身の夢のために大学受験の勉強を頑張っています。
みなさんの中にも、周りの人がうつ状態になってしまい、どう接したらいいかわからないと感じている人がいるかもしれません。そんなときには、まずは手を差し伸べることが大切だと思います。
あなたの「大丈夫?」の一言で救われる人がいると思います。そのうえで本人が話したいことがあるならとことん聞いてあげること、話したくなさそうだったらそばにいるだけでもいいのではないかと思います。
私が心がけていたのは「こちら側が積極的に動くのではなく受け身になって動くこと」です。これは私の尊敬する人が言っていたことなのですが、とても大切なことだと実感しました。(高校生記者・なお=2年)