オススメの漫画を高校生記者のタムカイ君に紹介してもらいました。

一風変わったシンデレラ?ストーリー

『薬屋のひとりごと』/日向夏原作 ねこクラゲ作画 七緒一綺構成 しのとうこキャラクター原案(ビッグガンガンコミックス、562円=価格は1巻、税抜)

みなさん、「シンデレラ・ストーリー」という言葉を知っていますか?

今回は、ある国の花街にいた平凡な「薬師」の少女が、あっという間に後宮(皇帝の妃が住んでいる所)の探偵役になってしまう――という一風変わったシンデレラ(?)・ストーリーを楽しめる、原作小説と合わせてシリーズ累計発行部数が1150万部を突破した『薬屋のひとりごと』を紹介します。

『薬屋のひとりごと』日向夏原作 ねこクラゲ作画 七緒一綺構成 しのとうこキャラクター原案(ビッグガンガンコミックス、562円=価格は1巻、税抜)(C)2020 Natsu Hyuuga/Shufunotomo Infos Co.,Ltd. (C)Nekokurage/SQUARE ENIX (C)Itsuki Nanao/SQUARE ENIX

薬学の知識で異例の大出世

ある日主人公の「猫猫(マオマオ)」は、人さらいに遭って後宮の女官にされてしまいます。

黙々と働いていたある日のこと、後宮で生まれた皇帝の子供が次々に死んでしまうという噂を聞きつけます。興味を抱いた猫猫は、持ち前の薬学の知識と花街での経験をもとに原因を突き止め、妃に伝えます。

一連の動きを評価した謎の宦官「壬氏(じんし)」と4人いる妃のうちの1人「玉葉妃(ぎょくようひ)」は、彼女の侍女として猫猫をヘッドハンティングしてしまいます。女官にとっては異例の大出世で、ここから彼女の後宮勤めの生活が始まります。

読み応えあるちょっとしたミステリー

登場するキャラクターもとっても魅力的ですが、なんといってもストーリーが面白いんです! 普段からあまり漫画を読まない私ですが、知り合いから勧められて試し読みしてみたところグイグイと引き込まれ、気づいたら既刊分を全て注文していました。

猫猫が謎を解明したり、一見無茶な依頼をこなしたりして話が進んでいくのですが、ちょっとしたミステリーとしても読みごたえがあります。またこの謎や依頼というのがなかなかよく出来ていて、限られた材料で媚薬を作ったり、思いもよらない方法で青い薔薇を咲かせたり、はたまた警察顔負けの爆発事故の実況見分をして原因を突き止めたりと、猫猫が機転を利かせる姿にカッコよさを感じます。

2019年には「次に来るマンガ大賞」のコミックス部門で1位を獲得し、より一層勢いづいているこの作品。まだまだ原作も続いており、今後も目が離せません。

タムカイ君の蔵書

ぜひご一読を。(高校生記者・タムカイ=3年)