高校生記者のはるさんは、校則が厳しい伝統ある高校に通っています。「なぜこの校則があるのか」、先生と生徒で話し合った経験を教えてもらいました。

色付きリップ禁止、マフラーの巻き方も規制…校則が厳しい

メイク、色付きリップクリームも禁止、スカートの長さは膝丈、髪の長さ、マフラーの結び方やキーホルダーの大きさまで…私の学校は、まわりの学校と比べて校則が厳しいと感じます。

入学した当時から「どうしてこんなに校則が厳しいのだろう」と思っていましたが、「学校の校則だから」「先生に怒られるから」と、言われるがまま校則を守ってきました。

私の通う学校は創立されてから100年以上が経ち、伝統を重んじています。昔から変わらない制服とともに学校の伝統を守り続け、それを私たちが継承していくことができるのはとても誇らしく思います。

校則で許されている範囲の私物。他校に比べ厳しいと感じることもある

先生と生徒で校則について話し合い

最近、生徒会の中で「中学生と高校生の校則に差をつけたい」という意見があったため、校則と改めて向き合う機会が設けられました。

生徒と先生で校則について話をしたところ、校則に「時代遅れ」があることに気がつきました。長年受け継がれてきた伝統が、私たちの校則を厳しくしているように感じたのです。

それまで私たちの意見など全く取りあってもらえないと思っていましたが、話してみると「この校則はもっと変えてもよいのでは?」と、お互いに意見が一致した場面もあり、意見交換の大切さを改めて感じました。

「禁止する理由が見つからない」校則が…

話し合いで挙がった校則の中で特に私が気になったのは、「スヌード(端と端がつながっている首元を暖める防寒具)の使用とマフラーの巻き方」についてです。スヌードの使用は禁止されていましたが、今回の話し合いで「スヌードを許可してもよいのではないか」「禁止する理由が見つからない」という結果になりました。

マフラーの巻き方についても話し合った(写真はイメージ)

マフラーの巻き方について、後ろで結ぶと引っかかって危ないという理由により、「前で結ぶこと。後ろに垂らすことはしない」と記載されていました。しかし生徒から、そのようなことは頻繁に起こらないため、後ろで結んでもいいと思うという意見が出ました。

ほかにも、髪の長さや制服の規定など多くの校則において、生徒会からの意見を踏まえた新たな校則の案が先生方や生徒を含む学校の議決機関で審議に入ることになりました。

以前はメイク禁止という校則に対して「勉強に必要ないから賛成」という意見が多くありました。しかし最近では、大学や社会に出てからはメイクすることが当たり前になるため、「高校からメイクをするのもいいのではないか」という意見も増えてきています。

校則を現代の目で考え直すことも必要(写真はイメージ)

校風や理念を守る校則、守るべきだけど見直しもいる

確かに、学校の校風や理念に沿った校則は、その学校の特徴でもあるため、守るべきだと思います。しかし、伝統だけで判断するのではなく、今の子どもの意見を聞くのも必要なのではないでしょうか。

ただ校則を緩くするのではなく、生徒が疑問に感じる部分は大人との対話を通して、より現代的に変えていくべきだと感じました。

今回の話し合いがあったことで、どこか他人ごとに感じていた校則を、自分ごととして考えることができました。生徒会としても、学校に所属する生徒としても、学校に対しての理解が一つ深まったように感じます。(高校生記者・はる=2年)