私の趣味は球体関節人形の作成です。球体関節人形(Ball Jointed Doll)とは、関節部分が球体になっている人形のことです。最近では、アニメやゲームとコラボしたBJDも発売されています。(高校生記者・ひなた=3年)

1、ポージングや着せ替えができる

BJDは自由自在にポーズをとらせることが可能です。服や髪、瞳を着せ替えることもできるので、さまざまな楽しみ方ができます。

所有している市販の球体関節人形「Tiny Delf PETER」。さまざまなポージングが可能

2、世界に一つだけの人形を作れる

市販のBJDは一つの型から複数生産されます。そのため、唯一無二の存在ではありません。しかし、粘土で造形された創作人形であれば、どこにも売られていない世界で一つだけの一体を創り出すことができます。

制作途中の人形

3、自分の中にある世界観を表現できる

粘土と道具さえあれば、想いを形にすることができます。コンセプトを考え、さまざまな要素を連想し、人形の作成をします。外側から客観的に見る自分自身の世界観は、意外な発見がありとても面白いです。

下図と制作途中の人形。ビー玉は瞳の代わり

4、完成したときの達成感が大きい

よく、完成した作品がどこまで既製品なのか聞かれることがあります。「目玉以外は一から作っています」と答えると、驚かれます。ただの四角い粘土を人形にする作業はとても骨が折れます。しかし、労が多いからこそ完成したときの達成感は大きいです。

制作した球体関節人形。ウィッグは雀などの羽を使用して作成

5、思考力・表現力が身につく

コンセプトから要素を連想していくことで、柔軟な発想力が身につきます。要素をどう組み合わせたら魅力的になるのか思考し、具体的な表現方法を捻りだすことで独自の表現力が身につきます。

4の球体関節人形のマント。装飾にこだわった

6、デッサン力が上がる

人形はイラストと違い立体なので、360度どの角度から見ても下図通りでなければなりません。鏡に映したり写真を撮ったりして、狂いを何度も調整します。そのうち、デッサンをするときも対象を立体で捉えられるようになりました。

だんだんとさまざまな顔つきが作れるようになってきた

7、試行錯誤できる

人形作りはなかなか思い通りにはいきません。うまくいかないときは、本やインターネットで調べたり、自分でいろいろなやり方を試したりしました。正解がないからこそ、自分なりの答えを見つけることができます。

制作に使用している道具。粘土は石粉粘土を使用している

8、洞察力・発想力が身につく

人形の作成は、ディープな趣味です。そのため、インターネット上にも情報が少ないです。足りない情報を補うために何度も試行錯誤をすることで、洞察力や発想力が向上します。

腕や脚に本物の骨を使いたかったので、手羽先を使用した

9、視野が広がる

BJDの文化は世界各国にあります。特に、中国や韓国のBJDは優れています。インターネットで他国のBJD について調べているうちに、流行しているファッションや言語など、他の分野についても詳しくなりました。

「Tiny Delf PETER」は韓国のLUTSの販売。BJDを通じて世界を知ることができる

10、見た人から感想がもらえる

作品を見せる場所は展示会場だけではありません。SNSやブログなどでも、手軽に作品を見せることができます。完成した人形について感想をもらうと、とてもうれしくなります。

展覧会で展示した球体関節人形。感想をもらうととてもうれしい

球体関節人形作りは奥が深いです。しかし、粘土と道具とやる気さえあれば、誰にでもできます。皆さんも世界で一体だけの人形を作ってみませんか?