女子15人制ラグビー日本代表が、5月に行われたアジアの大会で初優勝に輝いた。大会では、九州の高校に通う2人の「ラガール」がデビューし、躍動した。
(文・写真 斉藤健仁)


 2016年リオデジャネイロ五輪から正式競技となった7人制ラグビー(セブンズ)だけでなく、女子15人制ラグビーでも高校生の選手たちが活躍した。

 5月の「女子アジアラグビーチャンピオンシップ2015」で優勝した日本代表「サクラフィフティーン」では高校生4人がデビュー。そのうち2人が九州の高校に通う選手だった。

 

積極プレー見せた野田

5月9日、福岡で行われたカザフスタン戦(27-12)で途中出場ながら積極的なプレーを見せたのが福岡高(福岡)のSH(スクラムハーフ)野田夢乃(3年)だった。4月に7人制の日本選抜としても選ばれていたが、15人制では初の代表選出だった。

 後半17分に出場した野田は、地元の熱い声援を受けて密集からトライを狙うなど積極的なプレーを見せた。「地元の応援を受けて、元気をもらって楽しくプレーできました。初の日本代表ということで良い自信になりました! 今後はもっと筋肉を付けていきたいです」と笑顔を見せた。

体張り、チームに貢献した堤

続く5月23日のアウェイの香港戦(27-12)では、3人の高校生が先発。宮崎県出身のCTB(センター)黒木理帆(島根・石見智翠館2年)らとともに、WTB(ウイング)として14番を背負ったのが佐賀工(佐賀)の堤ほの花(3年)だった。4月のセブンズの大会で高校生主体のチームとして出場し、大人に混じってトライ王に輝いたスピードが武器だ。

 だが、雨の中の試合となったため、あまり持ち味を出せなかった。それでも堤は、自分より体の大きな相手にタックルを繰り返し、最後まで体を張ってチームの勝利に貢献した。「初めての日本代表の試合で緊張しました。トライは取ることができなかったけど、ピンチの時にしっかりディフェンスができて良い経験になりました」と胸を張った。

 「セブンズ」で2020年の東京五輪も狙っている2人だが、15人制ラグビーで早々と国際舞台を戦い、大きな財産になったようだ。野田、堤のさらなる成長に期待したい。

 
のだ・ゆめの 1997年10月25日生まれ。福岡・福岡高3年。兄の影響で小学校4年から香椎ヤングラガーズでラグビーを始める。学校の部活では15人制を、福岡レディースにも所属し7人制をプレー。163センチ、51キロ
つつみ・ほのか 1997年6月19日生まれ、佐賀・佐賀工3年。父が監督を務める嬉野ラグビースクールで小学校1年から競技を始める。双子の弟・英登も同校ラグビー部に所属、花園優勝を目指している。155センチ、55キロ