学校でSDGsについて勉強していたとき、ネットで「子供の貧困」と検索して、偶然見つけた「沖縄が子供の貧困率1位」という記事に衝撃を受けました。現状を自分の目で見たいと思い、石垣島に訪問しました。(高校生記者・ぷらむ=3年)
一日中家にこもって兄弟の世話
「観光客で賑わう商店街、空港。そのわずか数キロ圏内には孤独に生きる子どもが数多くいます」
こう語ったのは、インタビューに伺った石垣島で子ども食堂を営むK氏です。
「平成27年度沖縄県子どもの貧困実態調査(小中学生等)(平成28年公表)」によれば、沖縄は国内1位の子どもの貧困を抱えています。
特に離島(本島以外)の貧困は深刻です。複雑な家庭環境を持つ子どもたちの中でも、兄や姉は年下の兄弟を世話するため、学校に通うことすらままならないこともあるそうです。未就学児の兄弟がいる子は、親の代わりとなって食事を用意するため、一日中家にこもることもあると言います。
民生委員やカウンセラーが足りていない
これらの事態に対して、子育て支援・奨学金・子ども食堂などの支援は行われています。しかし、本島で取り組まれているような訪問ケアなどの支援には、なかなか踏み出せないと言います。その背景には、人口が少ない離島では、高いスキルを持つ民生委員やカウンセラーが不足しているということがあります。
でも、親の愛情や人の温かみを感じる機会の少ない子どもたちに必要なことは、やはり人と関わることです。
豊かで穏やかな島で起きている現実を知って
「子ども食堂はそんな子どもたちを孤独から救うために在りたい」とK氏は言います。
しかし、そもそも地域社会と関わりのない子どもは、子ども食堂の場所や存在すら知らないのです。子ども食堂について行政が広報活動をしても、貧困層まで情報が行き届かない現状があると言います。
沖縄の離島では貧困に加え、盛んな観光業、スマホの普及など子どもの孤立を助長するさまざまな問題があります。観光業が発達し都市化が進むと、地域のコミュニティ崩壊の一因になります。食堂に来たとしてもスマホでゲームに夢中で、会話や遊びなどのコミュニケーションが乏しいそうです。
これらを解決するためには、たくさんの人の協力が必要だと思います。豊かで穏やかな島の裏で起きている事実を多くの人が知るだけでも、誰かが新たに沖縄のために行動を起こすきっかけになるかもしれません。私はこの流れを作る人になりたいです。