みなさんは将来の夢はありますか? 高校生記者の早弁の鬼君は、難民支援をしたい夢を持っていますが、夢実現のために必要な海外大学の進学の難しさに挫折した経験を持っています。どうやって立ち直ったのか、話してもらいました。

将来の夢は難民支援や紛争解決、だけど…

私の夢は、難民の支援や紛争の解決、最貧国の支援、貧困・格差の是正などの取り組みに携わることです。

夢を持ったきっかけは、一枚の写真。海岸に打ち上げさられた幼い子供の遺体を、警察官が抱えている写真を見たことが始まりでした。見た当初は何が起こっていたのか全くわかりませんでした。なぜなのかを調べるうちに、中東地域の紛争や難民問題を知りました。

将来は、国連で軍縮などの平和構築に携わったり、自分で会社を起こしたりして、最貧国を経済面から支えていくのもいいなと思っています。

普段使用しているTOEFLの対策本

しかし私は、だんだん自分の中に偏見があるのではないかと考えるようになりました。

難民の人々は「かわいそうな存在」なのか。何も知らない自分が、軍縮などの問題に携われるのか……。そう考えるうち、多様な意見を知り、もっといろいろな考え方を学びたいと思うようになりました。自然と、全世界から留学生が集まる海外の大学に進学したくなっていました。

海外大学進学は難しい、焦燥感が募って

日本から海外の大学に進学するのは、とても大変です。特に私のように、海外に行ったこともないような人間にとっては…。

海外の大学では、課外活動、英語の試験、その国の入学試験、学校の成績など、多面的に評価されて合格が決まります。

何を準備すればいいのかさえ全く知らなかった私は、以前から興味のあった模擬国連の活動から始めてみることにしました。しかし、そう簡単に賞などが取れるはずもありません。

「周りに相当遅れをとってしまっているのではないか」と焦るばかりか、学校の勉強との両立もだんだん大変になり、「好きなことをするため」の課外活動が、いつの間にか「大学に受かるため」のものになっていました。

去年模擬国連に出場した際のプラカードと参加証

大学に受かるための課外活動になっていた

当然、そのような魂胆でやっていれば、何も成功することはなく、失敗が続きます。落ち込んでいた私を再生させてくれたのは、実際に海外の大学に留学している先輩でした。

TOEFLや課外活動、部活など全てで芳しくなく、焦っていた私。先輩は「目の前のことにこだわらないで、やりたいことをやってみるといいと思う」とメッセージを送ってくれたのです。

「自分が好きなことをやるために頑張っているのではなく、賞を取るため、受験のためなどの二次的なもののための努力になっていたのだ」と痛感しました。それと同時に、気が楽になりました。

現在は、去年全国大会に出場した模擬国連でリベンジしようと頑張っています。努力は報われることを信じ、将来世界へと羽ばたいていきたいです。(早弁の鬼=2年)