オススメのアーティストを高校生記者のるんるんさんに教えてもらいました。

類まれな表現力、柔らかな歌声

花譜

「花譜。にほんのどこかにいる16さい。」……まずは彼女の歌声を聴いてみてください。触れたら壊れてしまいそうな、まさに「花」のような旋律にあなたは驚き、そして1つの感動を覚えるでしょう。

花譜は、バーチャルシンガーとして音楽活動をする高校2年生。主な活動シーンであるYouTubeには既存の曲のカバーである「歌ってみた」に加え、ボカロPのカンザキイオリが手掛けるオリジナル曲も投稿しています。そんな彼女の魅力は、やわらかな歌声、それをコントロールする類いまれなる表現力です。

かれんさをまとう透き通る声、泣き出しそうな震えた声、生きようとする芯のある声、それらを使うべき曲の使うべき場所に惜しみなく使えることは、他のアーティストにはない彼女の才能と言っても過言ではないでしょう。それが、「死神(大森靖子)」といった感情を目いっぱい表に出す曲から「プラスティック・ラブ(竹内まりや)」のような女性らしい曲、「Re:HEROINES(オリジナル)」などの力強さが求められる曲まで、全く違うジャンルの曲を歌い上げることができる要因なのです。

聞いて「もう少しだけ頑張ってみよう」と思えた

私は人には言えないむなしさを感じる時、傷つきながらも自分らしく、強くありたいと思う時など、人生のいろいろな場面で何度も、彼女の、重さが両手で量れてしまうような、しかし命のこもった歌声を聴いて(または思い出して)ここまで生きてきました。つい最近も、日常に憔悴(しょうすい)しきって自分を見失い思考整理すらできなくなっていたのですが、彼女が自身の声をもって歌に込めた感情を読み取ることで、もう少しだけ頑張ってみようと立ち上がることができました。

誰かが歌った歌を通して同じような経験をする方は決して少なくないと私は思います。彼女の声は、場面を変えながら確かに私たちリスナーの力となってくれるのです。

2020年の3月14日には、第二形態「青雀(あおがら)」に移行した花譜。彼女のさらなる「深化」に今後も目が離せません。(高校生記者・るんるん=1年)