英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は3月24日、国内の国公私立大学の「教育力」を測って順位づけする「THE世界大学ランキング日本版2020」を公表した。総合点で東北大(昨年3位)が初の1位となった。2位は京都大(昨年1位)、3位は東京大(昨年2位)と東京工業大(昨年7位)だった。

「教育力」を順位付け

世界大学ランキングで知られるTHEは2017年から日本版を始め、今回が4度目。世界版が「研究力」を中心に順位付けしているのに対し、日本版は、教員あたりの学生数や、学生へのアンケートなどから「教育力」を測ろうとしているのが特徴だ。今回は国公私立278校を対象に順位付けした。調査にはベネッセグループが協力した。

世界大学ランキング日本版2020の総合順位

東工大が大幅に上昇、企業や研究者の評価高まる

東北大は、総合点が83.0点で、初の1位となった。企業人事と研究者の評判調査に基づく「教育成果」も昨年の7位から4位に順位を上げたほか、大学の資金力や教員の論文数、学生の学力などに基づく「教育リソース」分野で昨年の4位から3位に順位を上げた。

京都大(総合点81.5点)は、18年は東京大と並んで1位、19年は単独1位だったが、今回は2位だった。東京大(総合点81.2点)は19年に初めて1位を逃し、今回は3位に順位を落とした。

東京工業大(総合点81.2点)は、昨年の7位から3位に浮上した。大学生や高校教員へのアンケートに基づく「教育充実度」分野で、昨年の25位から9位に順位を上げるなど、「パフォーマンスが大いに向上」(THEの調査担当者)した。

5位は九州大(昨年4位)、6位は北海道大(昨年5位)だった。

世界大学ランキング日本版は、「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野に分け、「教育力」を測るための調査項目を設けている

私立大トップは国際基督教大

私立大の総合点の最上位は国際基督教大で、昨年と同じ11位だった。国際基督教大は「教育充実度」が昨年に続き2位、教員や学生の外国人の割合や、日本の学生の留学比率などに基づく「国際性」が3位(昨年は2位)だった。私立大では、早稲田大が13位、慶應義塾大が14位で続いた。いずれも昨年と同じ順位だった。20位に上智大(昨年は17位)、21位に立命館アジア太平洋大(昨年は27位)が入った。

公立大トップは国際教養大

公立大の総合点の最上位は秋田県の国際教養大で、昨年と同じ10位だった。福島県の会津大が24位(昨年は26位)、神奈川県の横浜市立大が36位(昨年は30位)、東京都の首都大学東京(4月から東京都立大に名称変更)が42位(昨年は39位)などが続いた。