勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の古文科講師の松井誠先生に難関私立大学の古文を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)
Q. 難関私立大の古文対策のポイントは?
A. 単語と文法の知識を身につけ、大意を読み取っていこう。
単語と文法の知識量が問われる
難関私立大の古文対策としては、日頃からいろいろなタイプの文章を読むことが大切だ。「この文章はこういう意味なのだろう」という大意を読み取る練習をしておくことが欠かせない。
単語と文法の知識量も問われるため、少なくとも基本的なところは確実に身につけておきたい。文法では、助動詞や接続助詞など、「つなぎの言葉」の役割をする付属語の意味と用法をしっかり理解しておくことが重要だ。
問題を解く中で単語と出合うことが重要
覚えるべき単語は700語が目安になる。単語は、教科書や単語帳に載っているものを一度覚えただけでは身につきにくい。知識として定着させるには、問題を解く中で過去に覚えた単語と出合おう。「この言葉はこういう意味だったはずだ」と思い出す経験を重ねることが重要だ。
そのため、できれば高3になるまでに単語帳などで700語を一通り覚えよう。受験にむけた問題演習の中で、それらの単語と再び出合って知識として定着させるというステップを踏めると理想的だ。それが難しい場合でも、高3の夏までには300語~400語程度は仕上げることを目標に暗記を進めていこう。
中心的な意味をしっかり覚えよう
古文では一つの単語にたくさんの意味があるように感じるかもしれないが、それは錯覚だ。文脈によって対応する現代語が違うことはあるものの、中心的な意味は基本的に一つだけ。その中心的な意味をしっかり覚えることを心掛けてほしい。
単語を覚えるときは、目で見るだけではなく、繰り返し声に出してみると印象に残りやすくなるはずだ。問題演習で出合った文章の中でわからなかった単語があれば、古語辞典や単語帳で確認する。重要語句に関しては辞典に載っている正確な意味で訳せるようにしておこう。
まつい・まこと
東大大学院では古代文学を研究。「何でもとことんやり抜く、やり抜けば必ず面白さが見えてくる」がモットー。