【共通テストも怖くない! 受験勉強の王道4】岩科琢也先生(駿台予備学校 現代文科講師)

各大学の入試や大学入学共通テスト(新テスト)にも対応できる勉強法を、駿台予備学校の岩科琢也先生に教えてもらった。

 
 
 
 

基本的な読解力を鍛える

共通テストは新しい傾向をもった試験になるはずだが、文章読解の本質的な力を問うという根幹の部分は従来のセンター試験から引き継がれると考えられる。

基本的な読解力を鍛える努力をせずに新傾向への対策ばかりを講じていても当然高得点は望めない。論理的な文章であれば、論の展開をとらえて筆者の主張と整理する練習を、文学的な文章であれば、物語やエッセイの展開を把握し登場人物や筆者の心情を整理する練習をそれぞれ地道に積み重ねていってもらいたい。

具体的にはセンター試験の過去問を利用して問題の演習と解読の熟読をくり返すことである。この際、知識の補強も行うようにしたい。間違えた漢字の設問については選択肢も含めてしっかり暗記し、文章中の未知の語句は一つ一つ意味を調べておくようにしよう。

共通点と相違点に着目

新テストの現代文では、右に挙げたような点が変更になる。複数のテクストや資料を、比較・統合しながら読むことに慣れる必要がある。問題集の同じテーマの文章や、一つのテーマについて複数の論者が意見を述べている新聞コラムなどを、共通点と相違点を意識して見比べる練習をすると良い。

表やグラフを含む「実用国語」では、中心となる文章と個々の資料との関係性を読み取れるかが問われる。やみくもに資料全てを読み込むと時間切れになるおそれもある。

まずは設問の意図を正確に読み取り、複数のテクストや資料のどこに注目すべきかを考えてから、個々の資料を見ていくことが重要だ。表やグラフでは変化が大きいところに着目し、その変化から何が言えるかを考えよう。

新たな設問形式への準備をする

共通テストでは、これまでのセンター試験ではあまり見られなかった形式の設問が多く出題されることが予想される。予想問題集などを活用し新しいタイプの設問になれておくようにしよう。

週1回の問題演習が必要

日々の学習では、学校の小テストなどを活用して漢字や語彙(ごい)を勉強するとともに、週1回程度のペースで問題集に取り組み、初見の文章を読む練習を重ねていこう。

現代文は地道な勉強を継続することで力が伸びる科目なので、一気にまとめてやるよりも、定期的にコツコツと勉強することを心掛けてほしい。(構成・安永美穂)

 

 

岩科琢也先生

(駿台予備学校 現代文科講師)

いわしな・たくや オーソドックスにして力強く、思考力全開の授業を展開。東京大、一橋大、筑波大、早稲田大などの入試問題の分析や特別授業も担当。