勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の古文科講師の松井誠先生に東京大学の古文を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)
Q. 東大入試の古文対策のポイントは?
A. まずは正確に訳してから、文章全体の意味を把握していこう。
付属語や敬語の意味を押さえ、論理的な読み方を
東大の古文では、直訳・逐語訳では意味がとらえにくい部分の内容について問われることが多い。このような問題では、まずは正確な訳をした上で、その訳を手掛かりに文脈の中でどういう内容か推測していくというステップを踏むことが重要だ。知っている単語の意味だけをつなげて漠然と内容をイメージするのではだめ。付属語や敬語などの意味を正確に押さえ、論理的に読み進めていくことを心掛けてほしい。
読み取れていることがアピールできる訳を書く
現代語訳に関しては、普段から意味を頭に思い浮かべるだけではたりない。訳を実際に書いてみる練習をしておくとよい。内容が読み取れていても、「ポイントを正確に読み取れている」ということがアピールできる訳を書けなければ、入試では点数につながらない。最初のうちは自分の訳を客観視することは難しいので、訳は学校や予備校の先生に見てもらうとよいだろう。
模試の解答の現代語訳をまねしよう
模試で思うように点が取れない場合は、訳に対する取り組み方に関して勘違いをしているケースが多い。古文の現代語訳では、「申し上げなさる」など、現代語として不自然な表現をすることもある。それは助詞・助動詞も含めた意味を正確に伝えるには「その訳し方をするしかない」からだ。そのことを理解し、模試の解答・解説にある現代語訳はそのまままねして、正確な訳が書けるようにしよう。
まつい・まこと
東大大学院では古代文学を研究。「何でもとことんやり抜く、やり抜けば必ず面白さが見えてくる」がモットー。