【新テストも怖くない! 受験勉強の王道4】古文 松井誠先生(駿台予備学校 古文科講師)

各大学の入試や大学入学共通テスト(新テスト)にも対応できる勉強法を、駿台予備学校の松井誠先生に教えてもらった。

 
 

古典常識も身に付けて

古文は、与えられた文章を文法のルールに沿って分析し、正確な現代語訳をすることで内容を把握していくことが重要だ。新テストでも、問題を解く上で要求される基本的な力は従来と変わらない。

ただし、右に示すような「複数のテキストを読み、比較・統合・評価する」ことも求められるようになる点は大きな変化だといえる。こうした問題を解けるようになるには、国語便覧をよく読むなどして、文学史や古典常識も勉強しておくことが欠かせない。

日々の学習では、まずは教科書を繰り返し音読し、古文のリズムをつかむことが大切だ。授業の復習では、意味を理解した上で必ず声に出して教科書の原文を読むようにしよう。

付属語の意味を押さえる

文法事項を確認するときは、自立語と自立語をつなぐ「付属語」に注目するとよい。つなぎの言葉の意味を正確に押さえられるようになると、意味が分からない自立語が出てきた場合でも「おそらく、こういう意味だろう」と推測しながら読み進めることができる。特に、助動詞の意味・用法は一つずつ正確に理解しておきたい。

例えば、推定の助動詞なら「めり」は実際に目に見えていること、「なり」は見えていないことについての推定を表すという違いがある。そのため、これらの助動詞に着目すれば「その出来事が筆者の見える所で起きているのか、別の場所で起きているのか」という場面の構成を読み取ることができる。

「だいたい同じ」訳ではNG

現代語訳をするときは、自分の書いた訳が、先生の訳や問題集の解答にある訳と合っているか、一字一句、細かいところまでチェックしよう。「だいたい同じ」では駄目で、少しでも違うところがあれば「どうすれば模範解答と同じ訳ができるか」を考えて見直しておくことが重要だ。

高1・高2のうちから、学校の復習とは別に、ペースを決めて問題演習に取り組んでおくと、高3からの受験勉強をスムーズに進めることができる。「こういう文の場合はこういう意味になる」という「型」を一つずつ覚えていくつもりで、地道な学習を積み重ねていこう。 (構成・安永美穂)

 

まつい・まこと

東大大学院では古代文学を研究。「何でもとことんやり抜く、やり抜けば必ず面白さが見えてくる」がモットー。