金沢桜丘高校(石川)新聞部は、年4回発行の「桜髙(おうこう)新聞」、学校行事などを伝える速報版「THE SAKURA TIMES」の紙面制作に励んでいる。どんな取材活動をしてきたのかを教えてもらった。(文・写真 中田宗孝)
お弁当の中身から先生の素顔を探る
部員全員で取材に赴き、取材メモや写真撮影を臨機応変にこなしている。「常に人手不足なので紙面制作は毎号苦労します。ですが、穏やかな性格の部員たちの、アットホームな雰囲気の中、楽しく作業してます」(部長の澤田真優さん・3年)
昨年度は15回発行したB4サイズの速報版「THE SAKURA TIMES」では、「出張 隣の職員室 先生たちのお昼ご飯」を連載中だ。先生たちの弁当の中身を紹介しつつ、先生それぞれの意外な素顔が垣間見えると、生徒たちから好評を得ている。
地元地域のトピックを取材
タブロイド版の「桜髙新聞」では、地元のごみ有料化制度開始や、金沢の伝統文化を継承する職人たちの紹介といった、地域のトピックを深く掘り下げた読み応えのある特集を紹介するのが特徴だ。各部員が企画案を持ち寄り、顧問の先生を交えた編集会議で紙面に掲載する内容が決まる。
昨年8月発行の全12面のタブロイド版で澤田さんは、自らが企画・担当した「水害特集」を、新聞の見開き2面を使って掲載した。「みんなの水害への危機感が地震や火災に比べると低いのではと感じていたんです。なので、水害の危険性を伝えるために企画しました」
取材、紙面制作期間は約3カ月に及んだ。紙面では、豪雨の影響で平成20年に発生した地元を流れる河川の氾濫の状況を体験者にインタビュー。体験者の言葉を通じて、水害時の対策と心構えを警鐘した。また、豪雨などの影響で引き起こる土砂災害にも着目。同校周辺の土砂災害が起こる可能性のある危険エリアを取材し、地図と写真を交えて注意を呼びかけた。
読者の心に風を起こしたい
澤田さんは、新聞をつくるうえで「風を起こす」ことを大切にしているという。「記事を読んだ読者の意識や行動に変化を起こすことが新聞の役割だと考えます。(読者の心に)少しでも風を起こすような新聞が届けられたらと思いながら、紙面づくりに取り組んでいるんです」
- 【部活データ】
- 2011年創部。活動日は原則平日毎日。2018年度の主な受賞歴「第22回全国高校新聞年間紙面審査賞」優良賞、「第67回石川県高等学校新聞コンクール」最優秀賞。「第48回全国高校新聞コンクール」(大東文化大学主催)優秀賞