大阪の伝統校・茨木の水泳部(水球)は、敷地内にある屋内50㍍プールで日々練習ができる。この環境に感謝し、自分を磨く。秋から冬に向けては水温低下で厳しさが増す。それでもレベルアップを目指して水に入る。 (文・写真 宇佐見英治)
現在のプールは3代目。50㍍×25㍍。最深部が2.3㍍。底に足はつかない。水球競技開催の規格を満たす屋内プールを校内に持つのは、大阪府下で茨高だけだ。「このプールの環境は、選手たちにとって財産なんです」と、茨高の水球出身で顧問12年目の木場恒樹先生(40)は言う。通常は朝45分間、放課後2時間練習する。
今年、インターハイを目指していた男子は大阪大会で3位。近畿大会へ進めなかった。捲土重来を期している。萩谷俊一副主将(2年)=大阪・東雲中出身=は「今年のチームは甘い部分があった。3年生に頼った2年生も甘かった」と言う。もう一度自分たちを鍛え抜く覚悟。そこに秋から冬の、水との闘いがやってくる。
屋内プールといえば温水を連想する。だが、茨高のプールに温水装置はない。最近では水温が20度を下回るとウエットスーツを着用する。
松浦奨主将(2年)=同・如是中出身=は「水温8度のときは泣きそうだった。ウエットスーツを脱いでの18度では、泳ぎながら泣いていた」と、1年時のことを語る。そして「あれに耐えられたら、どんな練習にも耐えられる」と言い切った。女子は全国大会(ジュニア・オリンピック)4強が目標。大久保映見主将(2年)=同・山田中出身=は「選手を増やし、チームで団結してどんどん攻めていきたい」と話した。
TEAM DATA
近年のインターハイ出場は、2000、06、07、09年。新チームは男子8人、女子5人。1916年に完成した水泳場から多くの名選手が生まれた。旧プールの記念碑「日本近代水泳発祥之地」が校内にある。2代目は69年にできた屋外の50㍍プール。現在のプールは95年に完成した。