英国のクアクアレリ・シモンズ(QS)社は2019年6月19日、世界の大学を6つの調査項目をもとに順位づけする「世界大学ランキング2020」を公表した。上位1000校のうち日本の大学は41校だった。ランクインした日本の大学も、国際化など多くの項目で点数の低下が目立った。(記事末尾に日本からランクインした41校の一覧)

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東大が日本最上位の22位

日本で最も高い順位だったのは東京大学の22位(前年は23位)。4年連続で順位を上げた。順位を決める基になった項目のうち世界の研究者へのアンケートに基づく「学術の評判」が満点だった。この指標で満点を獲得したのは世界で8校しかなかったという。京都大学は33位に入った。

QS社の世界大学ランキングに日本から上位に入った大学

日本は留学生受け入れ、研究の反響など苦戦

一方、日本の41校のうち32校が「留学生比率」の項目で前年より低い点数だった。また、「外国人教員の比率」も34校で低下した。ランクインした世界の大学の学生のうち12.3%が留学生だったのに対し、日本の41校の学生のうち留学生は7.8%。QS社は「世界における教育の国際化のスピードは日本以上に速い」と分析している。

研究論文の反響を示す「教員1人あたりの被引用数」の指標でも、日本の33校が前年より点数を落とした。QS社の調査責任者は「日本は10年間にわたる研究資金調達の停滞の影響を受けている」と分析し、中国、韓国、シンガポールと比べ日本の研究大学は国から投じられる資金が限られていることを指摘した。

卒業生を雇う企業からの評価である「雇用者評判」も、35校で低下した。ランキングは「教員と学生数の比率」を含めた6項目で順位付けした。

世界1位から3位は米国が独占、アジアトップはシンガポール

QS社のランキングは、英国のタイムズ・ハイヤー・エデュケーション誌のランキングと並び、世界的に注目されている。世界1位はマサチューセッツ工科大学(MIT)、2位はスタンフォード大学、3位はハーバード大学で米国の大学が独占した。いずれも昨年と同じだった。アジアで最も順位が高かったのは同点で11位に入ったシンガポールの南洋理工大学とシンガポール国立大学だった。

QS社の世界大学ランキング2020の上位20大学1
QS社の世界大学ランキング2020の上位20大学2