河野玄斗さんは、東京大学医学部の現役学生で、司法試験にも一発合格し、クイズ番組「頭脳王」で2連覇を果たしたカリスマ東大生だ。高校生にお勧めの勉強法を教えてもらった。(構成・安永美穂)

Q. 効果的な復習のやりかたは?

A. 問題演習などのアウトプットをしっかりと。

 

インプットだけでは「問題を解く力」は身につかない

一般的に、勉強をするときは「教科書を読む」「単語を覚える」といったインプット2~3割に対して、「問題を解く」「人に教える」といったアウトプットを7~8割ほど行うのが最も効率が高いといわれています。

復習では次のようなことに取り組み、しっかりアウトプットをすることを心がけましょう。

授業の内容を自分の言葉で説明する

授業中あるいは授業後に、先生の話のポイントを「要するにこういうこと」と自分の言葉でまとめ直して教科書やプリントの余白にメモしていきましょう。

あるいは、教科書の目次に書かれている言葉について、例えば日本史の「国風文化」であればどのような背景があってどのような作品が生まれたのかを言ってみるというように、何も見ずに自分の言葉で説明してみることも効果的な復習になります。

問題を解く

教科書を読んで「わかったつもり」になっていても、少し違った切り口から出題されると答えられないことは多いものです。授業で得た知識を多角的に見ることができるようにするには、実際に問題を解くことで理解を深めていく必要があります。その単元で出題されるポイントはどこかを正確に把握し、「この知識はこういう問われ方をする」ということを知るうえでも、十分な量の問題演習に取り組むことを心がけましょう。

「その問題から何がわかるか」を考える

例えば、「このような条件の三角形の外接円の半径を求めなさい」という問題は、その単元で学習すべきポイントを具現化したものなので、「この問題はこう解く」と理解するだけだと問われ方が変わると答えられなくなってしまうことがあります。問題を解き終えたら「この問題から何がわかるか」を考え、「三角形の外接円の半径・直径は正弦定理を使えば求められる」といった抽象的なレベルの理解にまで落とし込んでおくと、他の問題にも応用がきくようになります。

覚えられないものは書き出してみる

暗記したいものは全て書いて覚えようとすると時間がかかるので、覚える内容が赤字で印刷された教材を赤シートで隠してチェックする方法が効率的です。ただし、赤シートで何周か取り組んでみても覚えられないものは、実際に書き出して覚えましょう。

見た直後に思い出せたとしても本当に覚えているとは限らないので、覚えたかどうかをチェックするには、少し時間を空けてからアウトプットしてみることをおすすめします。

友達に教える

人に教えようとすると、「自分が理解していることの中で何が重要なのか」「どの順で話せば相手に理解してもらえるか」を考えるので、知識を体系的に整理し直すことができます。教える相手が見つからないときは、自分自身に対して「〇〇って、どういうこと?」と質問しながら答えていくようにしても同様の効果が得られます。

 
河野玄斗 こうの・げんと 
1996年、神奈川県生まれ。聖光学院高校卒業。東京大学医学部医学科6年生に在学中。著書に『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』(KADOKAWA)。