河野玄斗さんは、東京大学医学部の現役学生で、司法試験にも一発合格し、クイズ番組「頭脳王」で2連覇を果たしたカリスマ東大生だ。高校生にお勧めの勉強法を教えてもらった。(構成・安永美穂)

Q. 効果的な予習のやりかたは?

A. その単元の「章立て」を把握しておくことが重要。

 

教科書の目次で全体の中の位置づけを確認

高校のテストや大学入試で結果を出すためには、覚えたことや理解したことをいかにアウトプットできるかが重要になります。そのため、知識のインプットが中心となる予習の時間は最小限に抑えて、できるだけ多くの時間を復習にあてることを心がけましょう。

授業前の予習では、教科書の目次にザッと目を通し、その単元の「章立てとその章で学習するテーマ」を把握しておく程度で十分です。例えば、化学なら「物質の変化」という単元の「酸と塩基」の章の中に、さらに「酸・塩基の値数と強弱」「水素イオン濃度とpH」「中和反応」といった項目があるというように、目次を見ると現在の授業が全体の階層のどこに位置づけられるのかがわかります。

予習ですべて理解しなくてよい

全体の中での位置付けがイメージできていれば、授業で先生の話を聞いたときに“枝葉”にあたる細かい用語などには気を取られず、その科目の“幹”にあたる重要な知識や考え方をおさえていくことができます。具体的な内容や問題の解法については、授業中に先生の話を聞きながら理解していけばよいので、予習の時点で理解しようとする必要はありません。

なお、高校の英語のリーディング(読解)は文章量が増えるので、一語ずつ和訳しながら意味を押さえていくよりも、日本語を介さずに英語から直接イメージが浮かぶようにした方が効率よく読み進められます。予習でも逐語訳に力を入れるのではなく、単語の意味と最低限必要な文法を押さえて、英語を英語のまま理解していくようにするとよいでしょう。

数学・英語は土台となる部分の復習を

特に積み上げが重視される数学や英語では、新しい単元を学ぶうえでの土台となる部分の復習をしておくことが、結果的に効果的な予習になります。学校の授業はそれまでに習ったことは理解しているという前提で進むため、わからないことをそのままにしていると、ついていけなくなってしまうことがあります。

目次の章立てを見て、それに関連する過去の単元でよく理解できていないことがあれば、前の学年や中学校の内容までさかのぼって復習しておくことが大切です。

 
河野玄斗 こうの・げんと 
1996年、神奈川県生まれ。聖光学院高校卒業。東京大学医学部医学科6年生に在学中。著書に『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』(KADOKAWA)。