勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の生物科講師の山下翠先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.生物のメカニズムを理解するために必要なことは?
A.概要をつかんでから細部の暗記を。

 

イメージできる力をつけよう

高校の生物は覚えることが多いが、最初にやるべきなのは細かい名称の暗記ではなく、それぞれの分野の概要をつかむことだ。資料集の図やインターネットの動画といった視覚的な情報を活用しながら、「こういう構造になっているから、こういう反応が起こる」ということをイメージできるようにしていこう。

全体の中での位置付けを確認

授業を受けるときは、「今は『代謝』の中の『光合成と呼吸』の一部である『光合成』の勉強をしている」というように、今、習っていることが全体の中のどの部分に当たるのかを俯瞰してとらえる習慣をつけよう。全体の中での位置付けがよく分からない場合は、教科書の目次を見て確認するとよい。 

ノートをとるときは、余白を十分に取り、一つの事柄の説明だけでなく、それぞれの関係性も書き足していこう。必要に応じて図を描いたり、模試などの解説の図を貼り付けたりして、関係のある事柄は全てそのページに集約していくと知識が整理でき、見直すときも役に立つ。

複数の問題集で演習を

勉強の進め方としては、教科書で太字になっている重要用語の意味を押さえたら、問題演習をくり返して、覚えた知識をアウトプットする練習をしていこう。生物の問題演習では、一つの現象に対して、さまざまな角度からの出題に対応できるようにすることが重要だ。薄めの問題集をやり終えたら別の問題集に取り組むというように、複数の問題集を使って各分野を何周もくり返しながら学習を進めていくとよいだろう。

問題を解き終えたら、正解した問題についても必ず解説を読み、正確な知識をインプットすることが重要だ。選択式の問題の場合は、正しいかどうか迷った選択肢には印をつけておき、その選択肢のどこが誤っているのかを、解説を読んで理解しておこう。そして、勉強の仕上げの段階で、まだ覚え切れていなかった細かい名称などの暗記に取り組むと、概要が頭に入っているので覚えやすくなるはずだ。概要をつかんでから細部を覚えるという流れで勉強し、効率よく知識を定着させていこう。

 

 
 

山下翠先生

(駿台予備学校 生物科講師)

やました・みどり 高1から高3までの授業を多数担当し、熱意にあふれた分かりやすい授業は生徒から多くの支持を得ている。模試の出題や教材の執筆も担当。