高校生がギネス世界記録を樹立!

ギネス世界新記録を樹立した元1年B組のメンバー

日本学園高校(東京)の昨年の文化祭で1年B組(当時)が挑戦した巨大オセロが、ギネス世界記録として認定され、2018年12月25日の同校の終業式において認定の報告がなされた。

ギネスに挑戦した文化祭の様子はこちらから|高校生新聞オンライン

1年B組が挑んだのは、オセロのコマと盤の大きさのギネス記録。それまでの認定記録は、2012年に三重県の高校が記録した、直径80センチのコマを使った8.1メートル×8.1メートルのオセロ盤だった。昨年の挑戦では、そのサイズを大きく更新する直径154センチのコマ、14.52メートル×14.52メートルの盤を制作することに成功していた。

直径154㌢のコマ。ベニヤ板で作られている(2017年9月、中田宗孝撮影)

待ちわびていた朗報

ギネスワールドレコーズ社に申請ができたのは、文化祭から約3か月後の翌年1月。書類集めが難航し、すべてが揃うまで思った以上に時間がかかった。そして待つこと約1年。ようやく訪れた吉報に生徒たちの感慨も深い。「もうダメだろうなと諦めていましたけど、卒業するまでに知れてよかったです」(青木大知君・2年)

「ようやく認定が下りて、今はホッとしています」と、1年B組の担任だった土居真也先生もホッと胸をなでおろす。そんな土居先生は終業式で生徒のために粋なサプライズを用意していた。ギネス認定の知らせが届いたのは12月上旬だったが、終業式まで生徒たちには秘密にしておいた。

「(終業式の発表の際に)名前を呼ばれて『今来たのか!』って(笑)。(申請から)1年以上経っていたから(ギネス記録への挑戦も)終わったと思ったけど、更新できてよかったです」(大畠千昇君・2年)

病気で亡くなった生徒の想いを胸に

土居先生が6年前に受け持っていたクラスでも、巨大オセロのギネス記録に挑戦していた。しかし審査基準を十分に把握しておらず、申請までには至らなかった。そして3年前、当時のメンバーのひとり、西川修平君が病気で他界したという知らせが先生の元に届く。18歳だった。彼は亡くなる間際、「ギネス記録を獲りたかった」とこぼしていたという。

先生はあえてその事実を生徒たちに伝えることにした。逡巡があったはずだったが、クラスの一致結束にはプラスに働いた。「僕たちの先輩にあたる人の想いも受けて、僕たちでちゃんと成功させようという風に、クラスの全員で団結して頑張りました」と上野祐輔君(2年)は振り返る。

6年の歳月を経て、生徒と先生、そして西川君の想いをつないだギネス世界記録。この記憶は、このプロジェクトに携わった人々の心に深く刻まれることだろう。「(この挑戦の思い出は)忘れられないですね」(松田陸君・2年)(文・写真 山川俊行)

体育館に広げられた手作りのオセロ盤(2017年9月、中田宗孝撮影)