旭丘高校(愛知)の学校祭は毎年、連続6日間行われる。今年は9月25日から開催された。前夜祭や体育祭、舞台発表や分科会、討論会、文化祭などさまざまな企画を用意。「日本で一番長い」と自負している学校祭をどう運営しているのかを聞いた。(文・写真 木和田志乃)

佐藤君(左)と島村君。背景は文化祭の企画紹介のポスター

討論会で2時間半白熱

学校祭を中心となって支えるのは、1、2年生の実行委員255人。全校生徒の4分の1に当たる。実行委員は、企画や機材管理、広報、プログラム編集などの部門に分かれて運営を担う。

討論会は、長年続けられている名物企画。全生徒が3会場に分かれ、議論が深まりそうな議題で討論を行う。今年の議題は「憲法9条」「義務教育のあり方」。2時間半の間、活発な議論が交わされた。「反論大好きなんで、みんな」と実行委員長の佐藤颯君(2年)は笑う。

生徒が講師の講座で学ぶ

実行委員以外も活躍する。有志の生徒が講師となり、分科会と称した1時間半の講座を教室などで在校生向けに開いた。海外研修の報告から論理学、フットサル、人狼ゲームまでラインアップは幅広い。

5、6日目に行われる文化祭はクラスや部活動単位で参加する。

3年生は、演劇を披露するのが慣例だ。映画や舞台作品をアレンジし、上演時間は1時間半に及ぶ。準備に夏休みの大半を充てるため、負担が大きい。「内容を決める以前に、まず劇をやるかやらないかをクラスで話し合う」(副委員長の島村純君・2年)という。

その上で作り上げられた大作は、どれも満員の観衆の心を打つ。「文化祭を通してクラスのまとまりは強くなる。3年生は準備が大変な分、本来の姿が出て変化が顕著だと思う」(島村君)