出題者のクイズに早押しで答え続けることでクイズ力を鍛えている

テレビ番組「全国高校クイズ選手権(高校生クイズ)」で3度の優勝経験を誇る県立浦和高校クイズ研究会。普段の練習から、教室の机に設置した早押し機を使い、次々と出題されるクイズに解答していく。強さの秘密を聞いた。(文・写真 中田宗孝)

ひっかけ問題見抜くコツ

「クイズ大会は早押し問題が主流。誰よりも早くボタンを押して解答権を得ないと、蓄えたクイズの知識を披露できません。(練習中は)いつも早押しボタンに手をかけることを心掛けています」(会長の長野大樹君・3年)

「問題。日本の都道府県で黒石市があるのは青森県ですが、白石市がある都道府県はどこ?」

クイズ上級者ともなると「黒石市がある……」と読まれた時点で正解が分かるという(答えは宮城県)。正解を導くコツは「問題文を読む出題者のイントネーションにある」と長野君。「クイズ界では『パラレル』と呼ばれる、ひっかけ問題が頻繁に出題されます。この問題は、黒石市のある都道府県はどこかと誤解させるパラレル。ですが、出題者が黒石市の部分を強調して読むのを聞いて、パラレル問題だと察知します。僕は瞬時に、黒の対比色として白を連想し、白石市と推測。そして宮城県と答えます」

練習場である教室をのぞくと、早押しクイズに挑む生徒がいる一方、過去のクイズ大会などで出題された「既出問題」をまとめた問題集を読み込む生徒、ゲームアプリ「みんなで早押しクイズ」の対戦に興じる生徒など、メンバーおのおのがクイズ力を高める独自練習に取り組む姿が見られた。

強豪が集い腕磨く

そんなメンバーの腕試しの場が、「関東クイズ連合」に加盟する開成高校(東京)など約10校が持ち回りで主催する練習試合「例会」。クイズの強豪校が考えた、趣向を凝らした難問に挑戦できるのが魅力で、長野君は昨年度、6つの例会に参加して腕を磨いた。「他校のクイズ仲間との交流も刺激的で楽しい」。現在は、7月の「高校生クイズ」地区大会に向けて、メンバー全員、精進を重ねている。

会長の長野君(前列中央)、副会長の志賀聖君(3年、前列左から2人目)らクイズ研究会のメンバー
部活データ
 1991年発足。メンバー41人(3年生9人、2年生15人、1年生17人)。活動は週5日。「高校生クイズ」には毎年参加。3度の優勝歴は開成高校と並び最多。