運動不足の高校生のための筋力トレーニング講座「太もも・お尻」

体育の授業以外で運動する習慣がない。勉強ばかりで運動不足を感じている。そんな高校生に簡単に筋力を付けられるトレーニングを、東海大学の有賀誠司先生が紹介します。

 東海大学 有賀誠司先生
 
1962年、東京都生まれ。東海大学健康学部教授。筋力トレーニングに関する研究を行うとともに、多くのアスリートのトレーニング指導に携わる。著書に「基礎から学ぶ!筋力トレーニング」(ベースボールマガジン社)など多数。
 

スクワットのバリエーションと太ももやお尻を刺激する筋トレ

今回は、スクワットのいくつかのバリエーションと、太ももやお尻を刺激する筋トレを紹介します。筋肉は、姿勢の維持や座る・歩くといった動きに欠かせないだけでなく、美容や健康面でも重要な役割を果たしています。筋肉が多い人ほど血流や代謝が良くなり、エネルギーを消費するため、太りにくい体になるという点も、筋肉をつけることの大きなメリットです。
 週1回の筋トレでは、筋肉の「維持」にとどまり、筋力を「向上」させるまでには至りません。1つの部位、または種目について週2、3回(中1~3日空ける)、1回につき10往復の動きを2セット実施するのが理想です。セット間の休憩は30秒~1分を目安とします。 (構成・小野哲史)

スプリットスクワット

 
 

両足を前後に開いて行うスクワット。最初は両足に均等に体重をかけて行う。前足側のお尻と太もも前部が刺激される。バランス能力を養う効果も期待できる。前足により多く体重をかけることで、前足への負荷を強めることができる。

 

前足の膝が外に開いてしまう例。これでは、膝に大きな負担がかかりやすい。前足の膝は爪先の真上にくるように。

ブルガリアンスクワット

 
 

足を前後に開き、後ろ足を台の上に乗せて前足でスクワットを行う。スプリットスクワットよりも深い位置までしゃがめる。バランスを崩しやすいので慎重に行おう。

レッグエクステンション&カール

 
 

椅子に座り、両足をクロスさせ、下の足は前方向に、上の足は後ろ方向に約10秒間、押し合う。下の足を床から離さない。見た目の動きは少ないが、下の足は太ももの前部(大腿(だいたい)四頭筋)、上の足は太ももの後ろ側(ハムストリング)を同時に鍛えられる。

ヒップリフト

 

床にあおむけになり、片側の足を直角に曲げて立て、反対側の足を伸ばした姿勢をとる。膝を曲げた方の足で支えながら、臀部(でんぶ)と伸ばした足を持ち上げ、肩から足首までを一直線に保つ。息を吸いながら上げ、吐きながら下ろす動作をそれぞれ3秒間で行う。