愛知・東海高校 記念祭実行委員長 山下智玄君(2年)
運営・企画の特徴
本校の文化祭である記念祭は「東海高校生全員が主役となり楽しむこと」が目的です。即ち、記念祭とは生徒が「やりたいから」やっている自己満足です。それ故に東海生は記念祭に対して本気で取り組み、高いクオリティーを維持しています。記念祭実行委員会もただの委員会ではなく、一つのサービス業としての起業家精神をもって記念祭を盛り上げられるように意識しています。準備の間は東海生に過去のノウハウの伝授や情報の発信、特に各クラス企画には充実したサポートを行います。そして当日は運営側として、記念祭という特別な空間をお客様へ提供することを心がけています。
目的の「楽しむこと」に関しても、娯楽的に得る「見る側」としての楽しさではなく、お客様のために創り上げるプロセスの中にある「創る側」としての楽しみ、多くの仲間と行う自己実現という精神の成長に重点を置いています。
一押しの催し
記念祭の多くの企画の中で、東海生として最も記念祭へ主体的に関わることが出来る企画がクラス企画です。全てのクラスがクラスメート全員で一つの企画を創るため、必然的に東海生全員が関われます。3年生は模擬店のみですが、1、2年生はそれぞれのクラスで自由に企画を決めることが出来ます。1、2年生がその企画を立ち上げる際にはテーマを設けます。そのテーマに沿ってアイデアを出してシナリオなどを制作し、当日来て下さるお客様に対してテーマを伝えられるような演出を意識しています。
基本的にクラス企画はそれぞれの教室で行います。天井から角材を吊ることが出来るので、照明位置の細かい調整や、天井まで届く内装など様々な工夫が凝らしやすいようになっています。外装は角材やベニヤ板、布、段ボールなどを使用します。それぞれのクラスが工夫を凝らし、個性が発揮された引き付けられるデザインになっています。
東海高校のクラス企画は、企画の特色からテーマツアー・演劇・パフォーマンスの3つに分けられます。テーマツアーは、いわゆる「展示」のようなものにシナリオやアトラクションなどの仕掛けを加えてテーマを表現する参加型の形式です。演劇は脚本を作り、演技によりテーマを表現する形式、パフォーマンスはダンス・アートワークなどでテーマを表現する形式です。例年、話題になった事件・ドラマ・アニメなどをもとにした演劇・テーマツアーが多く見られます。 まれに「演劇型テーマツアー」など、二つ以上の形式を複合した形式の企画もあります。
テーマパークやテレビ番組の安易なパロディーではなく、「なぜその企画を記念祭でやるか」を十分に議論した企画を創ります。そして創る過程でクラスが一丸となった企画は「そのクラスでしか出ない味」が感じられ、それを創る側も見る側も唯一無二の感動が得られるものとなるでしょう。それこそが記念祭の、クラス企画の醍醐味なのです。
クラス企画の他に、パフォーマンス大会が記念祭において非常に盛り上がる企画です。正門から見える位置に設置されている特設ステージで開催されており、クラブ・有志によって、ダンスやジャグリングなどレベルの高いパフォーマンスが披露されます。パフォーマンス大会は「自分のクラスだけではまだ物足りない」または「クラス企画ではやりづらい特技がある」といった東海生の熱意を満たすための企画であり、パフォーマー達はその想いをもって参加してくれます。ステージにはバックボードと呼ばれる大きな一枚絵が設置されます。ここまで大きな規模のステージ企画を持った文化祭は全国でも僅少なものであると自負しています。
バックボード以外のステージ周辺の装飾品としてモザイク画や巨大布絵があります。モザイク画はステージ奥の校舎の通路にかけられるもので、例年、その年話題になった人物を題材として作っています。去年は落語家の桂歌丸さんでした。バックボード、モザイク画のさらに横にある巨大布絵は、横20m×縦10mものサイズとなっています。単純な面積で考えると、記念祭の制作物の中で最も大きいです。ですから見るものに与えるインパクトもかなりのものとなります。布へ大きく人物、または動物の絵を描き、それに関連した漢字一字か二字を書きます。当日校舎の壁を見上げると、視界いっぱいに迫る巨大布絵は圧巻の一言です。
伝えたいこと
「創る側」としての自覚を持った東海生が情熱を持って創り上げる、他校の文化祭とは一味も二味も違う記念祭を是非当日肌で感じてください。
information
公開日時:9月23日(土)正午~午後4時、24日(日)午前9時~午後3時
交通アクセス:徒歩で地下鉄桜通線「車道駅」から10分、名鉄瀬戸線「森下駅」から徒歩12分など
前年来場者数:1万人超
URL:kinensai.jp