7~8月に開催された国際科学オリンピックの6分野(数学、化学、生物学、物理、情報、地理)で、日本代表として出場した高校生26人全員がメダルを獲得する快挙を果たした。渡邉明大君(奈良・東大寺学園高校1年)は、代表決定後にくじけそうになりながらも、見事、国際物理オリンピックで金メダルの快挙を果たした。外国人選手との交流や、出場を目指す人へのアドバイスを聞いた。(文・堤紘子、写真・幡原裕治)
――国際物理オリンピックを目指したきっかけは?
「せっかく物理を勉強していたので、腕試しとして予選に挑戦しました」
――出場が嫌になったことはありますか?
「はい。代表に選ばれてからも、学校の勉強との両立が大変で、1週間に1度は辞めたいと思っていました(苦笑)。数学を勉強することで気分転換をしたりしながら、本番が近づくにつれて自分を追い込んでいきました」
――外国の選手として感じたことは?
「交流を通じて、英語の大切さを痛感しました。しかし、それ以上に『伝える気持ち』が大切であるということもわかりました。現地では外国の選手とポーカーをして遊んだり、試験を予想したりしました。アニメの話でも盛り上がりました」
――これから国際物理オリンピック出場を目指す人にアドバイスを。
「大学物理を勉強するといいと思います。実験問題対策として、自分で実験器具を作ったり、手順を考えたりできればいいのですが、なかなか難しいです。たとえ代表になれなくても、その過程でいろいろな出会いやきっかけがあるので、どんどん挑戦したほうがいいと思います」
――今後の目標は?
「近い目標は、来年の国際物理オリンピックに出場し、金メダルを取ることです。その先の目標は、物理学者になることです」