開校50周年を記念した短編映画「BLUE SKY」が、脚本作りから約2年をかけて完成間近だ。2015年に建て替えられる現校舎とそこで生き生きと活動する生徒の姿を映像に残す目的で、生徒会を中心に制作した。
素人集団が、劇場上映を目指し、本物志向で取り組んだ。映画の舞台は開成高校。校内で募集した脚本を下地に、週2回の脚本会議で議論した。絆をテーマに、幼なじみが校内で不思議な体験をし、仲間の大切さに気づいていくオリジナル脚本が出来上がるのに、約11カ月を費やした。
撮影、照明、メークなどの専門技術は、映画監督やプロの指導を受け、腕を上げた。昨年6月の校内オーディションで主演女優に選ばれた園山茉生さん(3年)は「経験もなくて緊張しました。キャラクターの気持ちを考えるのが大変でした」と言い、準主役の齋藤愛佳さん(3年)は撮影が始まると「こんなに本格的にやるんだ」と驚いた。
撮影は昨年8月。猛暑の体育館で行われた入学式シーンのロケには、卒業生、保護者なども含め100人以上のエキストラが参加。校歌や同校恒例の新入生の署名シーンも盛り込まれた。音楽はOBが担当、先生も出演するなど、オール札幌開成で力を合わせた。
難関の編集作業は現在、最終段階に入った。50周年の記念品にするため今年夏までに完成させるが、その後も挑戦は続く。札幌国際短編映画祭への出品を決め、英語版字幕も作成。12月には札幌市内の映画館で一般公開も決まった。
監督の一人、萩原亮君(3年)は「日常の中の非日常を描きました」と、作品に手応えを感じている。もう一人の監督、大西佳那子さん(3年)は「映画を通して、昔の友達や学生時代を思い出してくれたらいいですね」と話す。映画づくりの仲間も、深い絆でつながった。 ( 文・写真 岡崎敏)