世界の高校生らが物理の問題で競う第47回国際物理オリンピックが7月11日から17日までスイス・リヒテンシュタインで開催され、日本代表として参加した高校生5人全員がメダルを獲得した。5年ぶりに金メダルを3人がとり、渡邉明大君(奈良・東大寺学園高校2年)は昨年大会に続き2年連続の「金」となった。
世界84カ国・地域から398人が参加
大会は毎年開かれ、20歳未満で大学教育などを受けていない生徒が対象。物理の能力を高め合うと共に国際交流を深めるのが目的だ。今回は世界84カ国・地域から398人が参加し、理論問題、実験問題に各5時間をかけて挑んだ。金メダルは参加者の約8%、銀メダルは約17%、銅メダルは約25%を目安にに与えられる。
5年ぶりの快挙
日本代表として参加したのは男子5人。金メダルは、渡邉君、福澤昂汰君(東京・筑波大学附属駒場高校3年)、吉田智治君(大阪・大阪星光学院高校3年)の3人。銀メダルを吉見光祐君(兵庫・灘高校1年)が、銅メダルを高羽悠樹君(京都・洛星高校3年)が獲得した。日本代表全員がメダルを獲得したのは6年連続。3人が金メダルをとったのは5年ぶり2度目の快挙だ。
連続「金」狙っていた渡邉君
昨年のインド大会で渡邉君は金メダルを、吉田君は銀メダルを獲得している。渡邉君は昨年大会後の高校生新聞の取材に「代表に選ばれてからも、学校の勉強との両立が大変で、1週間に1度は辞めたいと思っていました。近い目標は、来年の国際物理オリンピックに出場し、金メダルを取ることです。その先の目標は、物理学者になることです」と話していた。
11年でメダル51個
日本代表の5人は、昨夏の国内大会、全国物理コンテスト「物理チャレンジ」(応募者1945人)の成績優秀者の中から代表候補10人が選抜され、合宿などを経て決まった。
日本は2006年大会から代表の派遣を始め、毎年メダルを獲得している。今年までの11回で金メダルを14個、銀メダルを20個、銅メダルを17個、合計51個を獲得した。最近3年の成績は次の通り(カッコ内は国別順位で公式発表ではない)▽15年 金1、銀2、銅2(12位)▽14年 銀4、銅1(19位)▽13年 銀2、銅3(23位)。
2022年に日本で開催
来年のインドネシア大会に出場する日本代表候補を選抜する「物理チャレンジ」が今月から来月にかけて開かれている。2022年の第53回国際物理オリンピックは日本で開催される。