YOASOBIは「小説を音楽にするユニット」として高校生世代からも支持が厚く、海外でも活躍中のアーティストです。高校生記者に、おすすめの楽曲と魅力について聞きました。

小説と楽曲の行き来をして深く楽しめるのが魅力

YOASOBIは、コンポーザーのAyaseさんとボーカルのikuraさんによる「小説を音楽にする」ユニット。

「歌詞と照らし合わせて小説を楽しめる(ほあ=3年)」「小説を読むと楽曲の捉え方が変わる(彗星=3年)」と、小説をもとにした曲を作るというコンセプトに魅力を感じている様子です。「ライブパフォーマンスが圧巻(ぼたん=1年)」「Ayaseさんとikuraさんの信頼関係が魅力(東雲=2年)」との声もあがりました。

何度聞いても飽きない

「アイドル」

アニメ「【推しの子】」のオープニングソングです。「【推しの子】」をほうふつとさせる歌詞や描写が大量にちりばめられており、何回聴いても飽きません。YOASOBIの魅力がこれでもかというほど詰まっている1曲です!

ポップな曲調と明るいMVは「アイドル」の表の顔、暗めな歌詞や歌声は「アイドル」の裏の顔を秀逸に表現しています。MVを見終えたあとは、まるで1本の映画を見終えたような感覚になります。(藤咲花佳=3年)

何度でも驚きがある

「夜に駆ける」

小説『タナトスの誘惑』から制作された楽曲です。作中の恋人の関係性が、歌詞にも描かれています。仄(ほの)暗さを感じる2人の思いと共に変化を見せる曲調が、最後まで情景を鮮やかに表しています。

小説を読み歌詞やタイトルの意味を知ると、全く別の曲のように聞こえるのも魅力の一つ。何度でも驚きがあり、さまざまな楽しみ方ができる楽曲です。(あいのすけ=2年)

自分も強くなった気持ちになる

「怪物」

スピード感にあふれていて、聴くだけで自分も強くなったように感じます。社会から求められる自分像と、ありのままの自分の差に葛藤する姿が描かれています。

心の中に巣くう「怪物」と対峙(たいじ)する。己の弱さを飲み込む「怪物」となる。社会という「怪物」に飲まれないよう生きていく。曲名の「怪物」には、人それぞれの解釈があると思います。どんな人の心にも響く、強く生きることへのメッセージを歌ってくれる曲だと思います。(東雲=2年)

ありのままでいいと教えてくれる

「群青」

ikuraさんのきれいな声と力強いコーラス、Ayaseさんによる心に響く歌詞とメロディーが絶妙にマッチして、繰り返し聞きたくなる曲です。私が特に好きな歌詞は「知らず知らず隠してた 本当の声を 響かせてよ ほら」です。「ありのままの自分でいいんだ」と思わせてくれて、聴くと明るい気持ちになれます。おしゃれなMVも見どころ!(ぼたん=1年)

ikuraさんの超絶技巧にうっとり

「UNDEAD」

最大の魅力は、曲の最初から最後までikuraさんが驚異的な超絶技巧を次々と繰り出すところ。度重なる転調、ハイトーンなど披露されるテクニックに圧倒されます。Ayaseさんが書く歌詞には、今を全力で生きる素晴らしさや、漠然とした不安を打ち壊す言葉が込められています。聴く人の背中を押してくれる曲です!(くるひ=3年)

決意を歌った前を向ける曲

「ハルジオン」

ポップな曲調で、聴いていると自分まで前を向ける曲です。もととなった小説『それでも、ハッピーエンド』と重ねて聞くと、さらに葛藤と決意が描かれた曲の奥深さに気がつけます。

過去には戻れないけれど、過去は無駄じゃない。過去は未来につないでいけると改めて気づかせてくれます。気分が沈んでしまったときにおすすめです!(みたらし=2年)

アカペラで始まるドラマチックな曲

「あの夢をなぞって」

歌詞はもちろん、曲の展開も魅力的な1曲です。アカペラから始まり、ピアノが響き、1番のサビの後はギターソロ、最後はまたピアノの音色で締めくくります。もととなった小説『夢の雫と星の花』は、YOASOBIの原作としては珍しい長編作品で、コミック化もされています。恋愛、予知夢、花火大会の三つがテーマになっている作品です。ぜひ歌詞と照らし合わせてみてください。(みたらし=2年)

軽快なリズムで爽やかな応援歌

「舞台に立って」

背中を押してくれる歌詞を、爽やかで軽快なリズムにのせた応援歌です。私は高校入試当日の朝に聴き、緊張がほぐれました。「頑張ろう!」という気持ちになり、おかげで力を出せたんです。何かを頑張りたいときや、本番前の緊張するときにぜひ聴いてみてください。きっと前向きな気持ちになれるはずです!(ぼたん=1年)

ドラマチックな表現が美しい

「三原色」

原作小説の『RGB』は、3人の幼なじみが一度は疎遠になるものの、大人になって再会を果たす物語。聴きどころは、曲の最後。3人を光の三原色である赤、青、緑に例えていて、「赤い夕日」「青い日々」「緑が芽吹く」と、それぞれを表すフレーズが畳みかけます。3人の再会を光の三原色が重なったことに例えて、「物語は白い朝日から始まる」というフレーズでまとまります。ドラマチックな表現が美しいです!(さつき=2年)

等身大の歌詞が刺さる

「HEART BEAT」

2023年、17歳から20歳の観客1000人とパフォーマンスするNHKの番組「18祭」内で制作され、披露された曲です。「18祭」の参加希望者から募った動画をもとに書き下ろされているため、歌詞が高校生にとても刺さります。特に、曲の最後のあたりで「ハートビート」と全員が合唱する部分は、聴くたび鳥肌が立ちます。それぞれの心の叫びが届いてきて、感動する1曲です。(ほあ=3年)

安心感をくれるお守りのような曲

「ハルカ」

出会いと別れがテーマの曲です。別れの寂しさだけではなく、「新しい出会いに向けて頑張る」という心温まるような内容も描かれています。エールを送ってもらっているような曲であり、安心感をくれるお守りのような曲でもある。聴くと心が温まります!(マリア=2年)

恋のあたたかさやドキドキを感じる

「好きだ」

直木賞作家4人との「書き下ろし小説楽曲化プロジェクト」で制作されました。森絵都さんによる小説『ヒカリノタネ』を楽曲化した恋愛ソングです。

幼なじみに長い片思いをしている主人公を歌っており、恋のあたたかさやドキドキが感じられる、みずみずしい曲です。いま恋をしている人はもちろん、恋をしていない人にも気づきをくれるはず。小説を読んでから聴くと、より一層没入できるのでおすすめです。(るぅか=3年)