見事なバチさばきを見せる部員たち (5月4日、「博多どんたく港まつり」の中央区演舞台で)

「どんたく」にも登場

福岡大学附属若葉高校の津軽三味線部は、学校内外の様々な場所で演奏活動を展開。北国の魂の響きを南国九州に広めている。

5月4日、九州最大の祭り「博多どんたく港まつり」の演舞台から、「タタタタタタタン♪」と「津軽じょんがら節」の音が響き渡った。舞台の上には、赤いはっぴ姿の2年生部員8人と、はかま姿の顧問・岩田英世先生。軽妙な先生のトークを交え、グループサウンズからオリジナル曲を含め計3曲。観客を引きつけ大きな拍手を浴びた。
 現2年生がデビューした昨年11月以来、東北のキャンペーンや行政、学会の会議など、出演は計10回におよぶ。

猛練習で短時間に上達

全員が入部まで三味線は未経験。岩田先生に椅子の座り方やバチの握り方から教わり、「たたく」「はたく」「すくう」といった津軽三味線独特のバチさばきを習得し、計13曲のレパートリーを持つまでになった。
 津軽三味線に楽譜はない。先生の演奏を録音したCDを聞きながら、その音をひたすら真似る。1日3時間の稽古に加え、夏休み、冬休み中に行う4日間の合宿では毎日10時間練習。飛躍的な上達をうながす。

涙から生まれた魂の響き

市村明日香さん(2年)は、長い間「津軽よされ節」の一節が弾けなかった。岩田先生に直接教わってもできず、「自分が情けなくて」涙を流しながら弾き続けた。泣いた翌日、もう一度チャレンジしてみると、ウソのように弾けた。餅田彩夏さん(2年)は爪が欠け、指先が硬くなっても弾き続けた。
 国際コースで学ぶ主務の梅﨑彩菜さん(2年)は「外国で弾いて、日本の文化を知ってもらいたい」と夢を抱く。部長の東村未歩さん(2年)は「お客さんから『よかったよ』と言われるとうれしい」と話した。(文・写真 南隆洋)