2024年度大学入学共通テストを受けた受験生の自己採点結果の中間集計(約40万人)をもとに、駿台予備学校・ベネッセコーポレーションが運営する「データネット」と河合塾が1月21日昼すぎに各科目の予想平均点などをまとめた。(記事2ページ目に、「データネット」と河合塾による科目別予想平均点を掲載)

英語リーディングは分量増え、平均点低下か

英語の「リーディング」(100点満点)の予想平均点は58点。共通テスト開始以来最も低い平均点(51.54点)だった昨年に比べると易化した模様だ。データネットによると「素材文語数が減少し、該当箇所を特定する際の複雑さが減少した一方で、まぎらわしい選択肢や、推論を要する設問が例年同様に含まれていた」という。英語の「リスニング」(100点満点)の予想平均点は61点だった。

国語は「新傾向の第3問」出題も平均点上昇

国語(200点満点)の予想平均点は127点。昨年(平均116.50点)より10点上がりそうだ。生徒が書いた小論文風の文章を題材にした新傾向の第3問が出題されたが、「大部分が4択の設問になったこともあり、難易は昨年並み」(データネット)だという。

数学Ⅰ・A(100点満点)の予想平均点は54点で、昨年(平均51.38点)より易しかった。数学Ⅱ・B・Cの予想平均点は52点で、昨年の数学Ⅱ・B(平均57.74点)より難しかったようだ。

化学と地学が40点台

理科は化学基礎以外、昨年の平均点より下がった。特に地学は45点(昨年平均点56.62点)、化学46点(昨年平均点54.77点)と低かった。

初実施となった新課程の地理歴史について、歴史科目(地理総合、地理探究58点、歴史総合、日本史探究57点、歴史総合、世界史探究66点=各100点満点)、公民(公共、倫理60点、公共、政治・経済62点=同)。

旧課程の平均点が大幅アップ

「浪人生のみ」受験できる旧課程科目は、軒並み平均点が上昇。旧数学Ⅰ・Aは66点で昨年の平均点から+15点、旧数学Ⅱ・Bも+9点。旧世界史Bは+14点、旧日本史Bは+17点、旧政治・経済にいたっては+21点の増化だった。旧課程と新課程の得点差を大学入試センターがどう判断するかが注目される。

新科目「情報Ⅰ」は69点

国立大の多くが課している6教科(1000点満点)の平均点は文系619点、理系631点としている。今回新たに実施となった「情報Ⅰ」は69点だった。

得点調整有無は24日に決定

大学入試センターは、途中までの採点結果に基づく各科目の平均点の速報を22日(水)午後に公表する。得点調整の有無は24日(金)午後に決めて発表する。

ベネッセコーポレーション教育情報センター長の谷本祐一郎さんは「情報Ⅰは、プログラミングを扱った問題も複雑ではなく、全体としてやや易しかった。化学は、問題文が長く、何が問われているか整理する力が問われていた。数学や地理歴史で旧課程科目の平均点が高いのは、問題の難易度の差というより既卒生だけが受けていることが大きい」と話している。教科内の科目間の難易差により平均点の差が大きい時に検討される「得点調整」の実施の可能性は低そうだという。