データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2025年度大学入学共通テストの「歴史総合」の問題分析は次の通り。
―事実理解だけではなく、資料から追究するプロセスに沿って思考する力が求められた。難易は標準 ―
第1問は「歴史総合、日本史探究」、第2問は「歴史総合、世界史探究」との共通問題であった。多様な資料から情報を読み取り、知識と組み合わせることで判断する出題がみられた。また、探究的な学習場面で、主題について探究するための問いに適した学習活動を判断することや、資料の時期を推定する思考力が問われた。難易は標準。
大問数・解答数
大問数2、解答数16個。第1問は「歴史総合、日本史探究」の第1問と共通問題。第2問は「歴史総合、世界史探究」の第1問と共通問題であった。
出題形式
文章選択問題と組合せ問題を中心に出題された。生徒の発表など探究活動の場面において、会話文や生徒が作成したパネル、文献資料、地図、図表、グラフなど、多様な資料が用いられた。
出題分野
18世紀から21世紀まで幅広く出題された。政治史を中心に、日本やヨーロッパ、東アジア、西アジア、南北アメリカなどの出来事が扱われた。
問題量
17ページ。
難易
難易は標準。
大問別分析
第1問「歴史上における境界」 (25点・標準)
「歴史総合、日本史探究」の第1問と共通問題。Aでは国際関係における「境界」、Bでは疫病の流行と「境界」、Cではアメリカ合衆国へ渡った移民が主題として設定された。問8は、各パートでの学習活動をさらに深めるために設定された主題に基づき、主題を探究するための問いと、考察するための学習活動の組合せを選ぶ問題。問いに表現された歴史的事象の時期に注目して判断する力が求められた。
第2問「装いの歴史」 (25点・標準)
「歴史総合、世界史探究」の第1問と共通問題。Aでは政治家などの装い、Bでは女性の装いを題材とした出題がなされた。問2では、資料の時期を推定するプロセスが問われた。該当する時期の歴史的事実を、示された方法に沿って判断できるかがポイントとなった。問7では、イランの小学校の様子を描いた挿絵が付されたパネルから情報を読み取り、その情報を抽象化しながら時代の推移と因果関係を判断することが求められた。