独力で相手守備を突破するFB(フルバック)高野恭二

 第94回全国高校ラグビー大会(花園)の決勝が1月7日、近鉄花園ラグビー場(大阪)で行われた。春の選抜大会、夏の7人制大会を制している東福岡(福岡)が、御所(ごせ)実(奈良)を57-5で下して3年ぶり5度目の栄冠を手にするとともに、史上初の3冠を成し遂げた。
(文・写真 斉藤健仁)

3冠、記録ずくめ

大会通算298得点は、3連覇を達成した2011年度の292点を塗り替える新記録。決勝の最多得点(57)と最多得失点差(52)の記録も更新した。
 個の強さが際立っていた。2年前から週3回ウエートトレーニングを重ねており、「個の強さに自信があるからボールを回せる。2年越しの強化が花開いた」と、藤田雄一郎監督(42)は目を細めた。また、決勝では9トライ中8トライを決めたのがBK(バックス)だったように展開力も光った。BKだけで7人対7人の練習を繰り返してきた。CTB(センター)永富晨太郎(3年)=福岡・高取中出身=は「ディフェンスを見ながら判断し、(スペースの)空いている、余っているところを攻めた」と胸を張った。
 「東福岡で日本一になりたい」と入学した古川聖人主将(3年)=同・引野中出身=は「最高の舞台で優勝できてうれしい。みんなの努力の成果です」と大会を締めくくった。

【TEAM DATA】
1955年創部。部員118人(3年生46人、2年生35人、1年生37人)。全国高校ラグビー優勝5度、準優勝3度。選抜大会優勝4度。OBに専修大ラグビー部の村田亙監督や、日本代表の藤田慶和(早稲田大3年)ら。チームの愛称は「フェニックス」。