大学入試センターは1月17日、2024年度大学入学共通テスト受験者のうち約21万人の採点結果に基づく平均点などの中間集計を発表した。理科や地理歴史、公民の得点調整は行われない可能性が高い。(小数点第二位は四捨五入)

英語リーディングは分量増え、平均点低下か

英語の「リーディング」(100点満点)の平均点は53.3点。昨年、共通テスト開始以来最も低い平均点(53.8点)だったが、それを下回る可能性がある。駿台・ベネッセが運営する「データネット」の担当者によると、「後半の問題の文章量が多く、内容は難しくないが、限られた時間で文脈を把握する処理力が求められた」という。昨年より英文の分量が500語増えており、センター試験の最後の年(2020年)より1.8倍の量となり、受験生からは文章量の多さに苦戦したという声が上がっていた。

英語の「リスニング」(100点満点)は68.5点。昨年までと形式が変わらず、対策ができている受験生には取り組みやすかったという。

国語は平均点上昇、小説が取り組みやすい出題

国語(200点満点)の平均点は115.7点。昨年(105.7点)より上がりそうだ。小説がとりくみやすかったとみられるという。数学Ⅰ・A(100点満点)は54.4点で、昨年(55.7点)より下がりそうだ。数学Ⅱ・Bは61.0点だった。

理科、地歴、公民の得点調整はない見通し

昨年は生物の平均点が低く、物理と20点差以上開いたため理科②で得点調整が行われた。中間集計の平均点(各100点満点)は、物理64.4点、化学56.9点、生物55.7点で得点調整はなさそうだ。

地理歴史(世界史B63.0点、日本史B58.0点、地理B68.4点=各100点満点)と公民(現代社会57.4点、倫理57.1点、政治・経済46.0点=同)も対象科目間の予想平均点の点差が20点未満に収まっており、得点調整はなさそうだ。政治・経済は昨年地歴公民の中で最も平均点が低い。データネットによると、融合問題や計算が求められる出題があったことが影響した可能性があるという。

得点調整有無は19日に決定

大学入試センターは、大半の答案の採点を終えた集計結果を19日午後に公表する。得点調整の有無も19日午後に決めて発表する。