データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2024年度大学入学共通テストの「日本史A」の問題分析は次の通り。

― 史料が増加。情報を適切に処理し知識と結びつける力が求められた。難易は昨年並 ―

日本史Bとの共通大問は昨年と同様に2大問出題された。近現代の日本の娯楽に関する会話、様々なテーマに基づく調べ学習など、生徒が授業のなかで主体的に学習を行うという設定で、明治時代から昭和時代まで幅広く出題された。昨年に比べて読み取る史料の数は増加したが、読み取りは難しくなく、難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数5、解答数32個は、昨年から変更なし。第2問・第4問は日本史Bとの共通問題。

出題形式

昨年と比べて組合せ問題が増加し、文章選択問題が減少した。落語を筆記した史料や映画に関する史料、法令改正の理由に関する新聞記事など、政府発表の史料だけでなく、民間の様々な史料が出題された。

出題分野

近現代史中心の出題。昨年と比べて文化史が増加し、政治・社会経済史・外交史が減少した。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「近現代の娯楽からみる人々の生活」 (22点・標準) 

近現代の娯楽からみる人々の生活を題材に、明治時代から昭和時代までの経済・文化・外交・社会について幅広く出題された。問6は、古川ロッパの日記を用いて戦後の社会状況の変化が娯楽に与えた影響を調べるという問題で、会話文を読み取り、知識と照らし合わせて解答する力が求められた。

第2問「明治に始まった生活様式・社会経済制度」 (12点・標準)

高校生の研究発表「明治はじめて物語」をもとに展開し、社会経済や外交、文化から幅広く出題された。問2では輸入に関するグラフの読み取りから変化や差異の背景を考える必要があった。

第3問「明治時代以降の教育と社会の関係」 (22点・標準) 

明治時代以降の教育と社会の関係をテーマとして、明治時代から昭和時代の文化・政治について出題された。問5は、文官任用令改正の理由についての新聞記事を用いた問題で、史料中の年代から憲政党内閣が第1次大隈重信内閣であることを想起する必要があった。そのうえで、「不慣の無頼者」などの表現から、史料2の要旨を読み取る力が求められた。

第4問「二度の世界大戦後の日本と国際社会」 (22点・やや難)

発表準備を進める高校生の作成したプリントをもとに、「二度の世界大戦後の日本と国際社会」について外交や政治を中心に出題された。問1はワシントン会議で締結された条約と廃棄された条約を史料から判断するもので、海軍軍縮条約と日英同盟の理解が求められた。

第5問「近現代の日本経済」 (22点・やや難) 

近現代の日本経済をテーマとして、大正時代から昭和時代の経済を中心に、政治・社会・外交について出題された。問2は、震災手形がどのように扱われたかを問う問題で、メモから手形の仕組みを理解したうえで、震災手形に対する金融機関の対応を読み取る力が求められた。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2023年度 45.38点
  • 2022年度 40.97点
  • 2021年度 49.57点
  • 2020年度 44.59点
  • 2019年度 50.60点