高校生活を送りながら動物写真家として活躍する藍沙さん(3年)は、小学生のころからさまざまな土地を訪れ、動物たちの写真を撮影してきました。藍沙さんが動物たちと向き合う中で目の当たりにした環境問題や、藍沙さんが行っている地球温暖化対策を寄稿してもらいました。(写真・藍沙さん提供)

こんにちは! 私は高校生動物写真家の藍沙です。皆さんは、生きものが好きですか? 私は普段、野鳥などを撮影しているのですが、その中で環境問題を身近に感じることがあります。そこで今回、私が撮った写真と共に環境問題について書いてみようと思います。

美しいカワセミの隣にペットボトル

1枚目はカワセミの写真。今年4月、桜とカワセミを撮りに東京都内の川に行きました。

4月に撮影したカワセミ。川にペットボトルのゴミが落ちていた

カワセミは水辺に住む小さな野鳥で、青い羽毛がとても美しく「清流の宝石」といわれます。

ところが都内の川や池などでは、残念なことにゴミが落ちていることがしばしばあります。カワセミと桜でよい写真をたくさん撮れたのですが、ペットボトルとカワセミの写真も撮りました。

ペットボトルなどのプラスチックは、自然界ではなかなか分解されません。400年から1000年以上もの間、ずっとゴミとして残ると言われています。川などに落ちたプラスチックは海まで流れていき、海洋プラスチックゴミになり、世界中で問題になっています。このままだと2050年には、海に住む全ての魚の重量より、プラスチックの方が上回ると予測されています。だから、使い捨てや過剰包装など、プラスチックの使用を減らしていく必要があると思います。

桜の季節に雪が降る異常気象

もう1枚は、桜と雪とカルガモの写真です。これは2020年の3月下旬に撮ったものです。

桜とカルガモ。幻想的な風景だが、異常気象が心配

当時、すでに桜が満開。満開後に雪が降り1センチ以上積もったのは、東京では51年ぶりの異常気象でした。幻想的で美しい写真ですが、背景を考えると背中がぞわっとします。地球温暖化(気候変動)はテレビの中ではなく、目の前で起こっているのだと実感しました。

温暖化が進行すると異常気象が増えることは、科学的に認められてきています。単純に暑くなるだけでなく、局所的にすごく寒くなったり、大干ばつになったり、すさまじい大雨が続いたりもします。写真のカルガモたちも心なしか戸惑っているように見えました。急激な環境の変化が生きものたちにどのような影響を与えるか心配です。

身近から環境問題興味持って

温暖化が進むと、多くの生物が絶滅する恐れがあることが、研究者たちから警告されています。だから、少しでも温暖化の主な原因であるCO₂を出さないようにすることが大切です。

私の家では再生可能エネルギーによる電気を使う契約をしています。火力発電所からは膨大なCO₂が出るからです。政府にも、もっと脱火力発電を進めてほしいのですが、まずは自分から使う電気を選ぶことも大切かもしれません。皆さんにも身近な自然から、環境問題について興味を持ってもらえたらうれしいです。

 
藍沙さん 
2006年生まれ、高校3年生。小学生のころ写真撮影を始める。第37回「日本の自然」写真コンテストで朝日新聞社賞を受賞。毎日小学生新聞で「カメラ少女・藍沙のいきもの大好き」を連載中。