新課程に対応した2025年度入試では、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の内容・形式にも変更が生じる。河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスを交えながら、数学の内容・形式の変化や学習対策についてまとめた。(安永美穂)

数学C追加、試験時間も10分増

数学は「数学①」「数学②」の二つで構成される。数学①は、「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅰ」から1科目を選択(70分、100点)。

数学②は、「数学Ⅱ、数学B、数学C」の1科目のみの出題になる。数学Ⅱに加えて、数学Bの「数列」「統計的な推測」、数学Cの「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」の4分野から3分野を選択解答する。問題数の増加に伴い、時間が10分延びて70分、100点の試験になる。数学①、数学②ともに、25年度は旧課程履修者への経過措置がとられる。

文系の学習範囲が増えるわけではない

数学②が『数学Ⅱ、数学B、数学C』となったことで、国公立大を受験する文系の人は『数学Cが入るから勉強内容が増えるのでは』と不安になるかもしれない。だが近藤さんによると「それは誤解」だという。

ベクトルが数学Cに移行される(河合塾提供)

「新課程では、『ベクトル』が数学Bから数学Cに移行されています。そのため、数学Cで『ベクトル』を選択するのであれば、勉強しなければならない内容は旧課程の『数学Ⅱ、数学B』から大きく変わるわけではありません。日々の授業にしっかり取り組んでいれば、十分に対応できます」

【数学の学習対策】二次試験用の問題集も有効

河合塾が公表した「<新課程>共通テスト 試作問題分析」にて示した、25年の共通テストに向けての学習対策をまとめた。

センター試験や共通テストの過去問演習は有効。『数学Ⅱ、数学B、数学C』の「複素数平面」については1997~2006年の過去問も参考になる。過去問がない分野については、教科書の章末問題、教科書傍用問題集を理解し、模擬試験などで標準的な問題の手法を理解しておくことが必要。数学的に難しい問題も含まれるので、二次試験用の問題集などにも取り組むとよい。

なお、『数学Ⅱ、数学B、数学C』の選択問題については、各自が二次試験などで必要とする科目も考慮し、あらかじめ、どの問題を解くかの候補を絞っておくとよい。

 
近藤治さん 
学校法人河合塾 教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。情報発信や講演も多数実施。