2023年度大学入学共通テストの「国語」の試験が1月14日に行われた。昨年と同じ大問4問が出題された。4問とも共通テストの特徴である「複数のテキストを読み解く問題」だった。

「1問1文章」は過去のもの

共通テストは、複数テキストを読み解かせる出題に力点をおく方針。センター試験時代のように1題につき一つの文章が出題される問題は姿を消し、関連する2つの文章と、それを読んだ授業の場面を描いた文章との3つのテキストを読ませるなど、問題構成が複雑化しているといえる。

設問の中に「生徒の話し合い」場面が

駿台予備学校とベネッセコーポレーションが運営する「データネット」の分析によると、国語は昨年より「やや難化」した。

建築をテーマにした第1問で2つの文章が示された。設問の中には、2つの文章を読んだ生徒の話し合いの場面も盛り込まれた。

第2問は、戦後の食糧難の時代を舞台にした作家の文章とあわせて、同時代に作られた広告と、それらを考察した生徒の文章などを読み解かせた。

小説の出題では本文と関連した広告と、それらを考察した文章を読み解かせた

第3問の古文は、本文と同じ作者の文章が資料として出された授業の場面が出題された。

第4問の漢文は、唐の白居易が官吏登用試験に備えて作った「予想問題」と「模擬答案」で構成された。

データネットでは「応用的・発展的な思考がより求められる」とみている。

知識問題減り「衝撃」の受験生も

河合塾は「基礎知識を問う問題が減少し、内容の理解を問う問題が増えた」としつつ、全体の難易度は「昨年並み」とみている。

受験した高校3年生に感想を聞くと「評論(1問)で時間配分をミスした。小説(2問)が長くて読み切れなかった」「現代文の語句を聞く問題がなくなって衝撃だった」といった声が上がった。