第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2023年度大学入学共通テストの「数学Ⅱ」の問題分析は次の通り。

― 第2問「積分法」で現実事象の問題が出題された。計算量が減り、昨年よりやや易化 ―

第1問〔2〕では対数に関する背理法の問題が出題された。第2問では、ソメイヨシノの開花日時に関する現実事象を扱った問題が出題された。昨年出題されていたグラフを選択する出題はなかった。また、第3問で図形の性質を踏まえて考える出題があった。計算量が減り、昨年よりやや易化。

大問数・解答数

昨年と同様、大問数は4ですべて必答。第1問・第2問は、2中問構成であった。

出題形式

昨年と同様、数字を答える形式が中心。選択肢から選ぶ問題の解答数は、23問であった。第2問〔2〕は、対話形式で気温を表す関数のグラフを直線とみなしてソメイヨシノの開花日時を考察する問題が出題された。

出題分野

数学IIの全分野から出題。

問題量

ページ数は19ページ(下書き用紙除く)で、昨年より2ページ増加した。

難易

昨年よりやや易化。

大問別分析

第1問「三角関数」、「指数関数・対数関数」 (30点・標準)  数学II・Bと共通

〔1〕は、2倍角の公式、加法定理などを利用した、三角関数の不等式の問題。(4)は、(2)、(3)を利用して、sin3x>sin4x>sin2xを満たすxの値の範囲を求める。誘導に正しく乗ることができれば、計算が煩雑にならなくて済む。〔2〕は、与えられた対数が無理数になる十分条件を考察する問題。背理法による証明が素材であったが、対数の性質が理解できていれば容易に解くことができた。

第2問「微分法・積分法」 (30点・標準)  数学II・Bと共通

〔1〕(1)は、3次関数の極値と区間内の最大値を考え、(2)は、(1)を利用し、円錐に内接する円柱の体積の最大値を求める問題。〔2〕(2)は、ソメイヨシノの開花日時を【設定】に従って考察する問題。(i)は、積分計算から開花日時を求める必要があった。(ii)は、f(x)が増加することを利用して、定積分の値を計算せずに開花日時の範囲を求めることができる。

第3問「図形と方程式」 (20点・標準) 

軌跡をテーマにした典型的な問題。円周上を動く点Pについて、(1)は線分OPを2:3に内分する点、(2)は、線分OPをm:nに内分する点、(3)は△DEPの重心の軌跡を求める。

第4問「複素数と方程式」 (20点・標準) 

係数に文字が含まれた2つの3次方程式の解に関する問題。(1)、(2)は丁寧に誘導に従って解いていくとよい。(3)では、2つの方程式の共通の解について考える。(1)、(2)を利用して解くとよい。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2022年度 34.41点
  • 2021年度 39.51点
  • 2020年度 28.38点
  • 2019年度 30.00点
  • 2018年度 25.97点

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