第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2023年度大学入学共通テストの「数学Ⅰ」の問題分析は次の通り。

― 第2問で空間図形の問題、第4問で現実事象の問題が出題。昨年より易化 ―

第3問と第4問の分野の順序が変更。第2問では、空間図形の出題もあった。第4問では、バスケットボールに関する現実事象に対し、与えられた【仮定】をもとにボールの軌道を2次関数として考察する出題であり、対話文もあった。昨年と比較して、各問題の導入部分で取り組みやすいものが多く、昨年より易化。

大問数・解答数

昨年と同様、大問数は4ですべて必答。第1問・第4問は、2中問構成であった。

出題形式

昨年と同様、数字を答える形式が中心。選択肢から選ぶ問題の解答数は21問であった。第4問〔2〕は、対話形式でバスケットボールのシュートを題材とした問題が出題された。

出題分野

数学Iの全分野から出題。

問題量

ページ数は22ページ(下書き用紙除く)で、昨年より6ページ減少した。

難易

昨年より易化。

大問別分析

第1問「数と式」、「集合と命題」 (20点・標準)  〔1〕は数学I・Aと共通

〔1〕は、前半は、絶対値を含む不等式の問題。1ー√3が負であることに注意して、(aーb)(cーd)のとり得る値の範囲を考察することが求められた。後半は、(aーd)(cーb)の値を求める問題。誘導通りに計算することが求められた。〔2〕は、集合の問題。(1)は、与えられた集合を正しく表したベン図を選択する。(2)は、集合に要素が与えられ、(1)を利用して部分集合の要素がどのような条件を満たすかをベン図を利用して考察する。〔1〕、〔2〕はそれぞれ標準的な難易であった。

第2問「図形と計量」 (30点・やや難)  数学I・Aと一部共通

(1)は、半径5の円周上の3点A、B、Cがそれぞれ、与えられた条件を満たすときの角の大きさや辺の長さなどを求める問題。(2)は、半径5の球面上の3点P、Q、Rと点Tについて三角錐TPQRの体積の最大値を求める問題。全体を通して、問題の条件を正しく図示し、図形的考察ができたかがポイントであった。

第3問「データの分析」 (20点・標準)  数学I・Aと一部共通

都道府県庁所在市および政令指定都市における「二人以上の世帯の1世帯当たりの年間支出金額」をもとに、地域ごとにかば焼きとやきとりの支出金額のデータを扱った問題。(1)、(2)は、ヒストグラムと箱ひげ図の読み取り問題であり、階級値や四分位数などの基本事項や、分散の定義を正しく理解しているかが問われた。(3)(i)は、昨年に引き続き、与えられた統計量から相関係数を求める問題であった。(ii)では、データの変換による分散と相関係数の値の変化を考察する。分散や相関係数の求め方や性質を、正しく理解しているかが問われた。

第4問「2次関数」 (30点・やや難)  〔2〕は数学I・Aと共通

〔1〕は、2次関数の頂点を求め、2次関数のグラフとx軸との位置関係を考える。また、y=f(x)を平行移動させたy=g(x)を求め、|f(x)ーg(x)|の最小値を考える問題。〔2〕は、対話文形式でバスケットボールのシュートを題材にした問題。与えられた【仮定】に注意しつつ、プロ選手がシュートを打った場合と花子さんが打った場合のボールの軌道を2次関数の式で表し、ボールが最も高くなる場合について考察する。(2)は、題材の理解に加えて、√3の近似値も利用した計算が入り、解きにくい問題であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2022年度 21.89点
  • 2021年度 39.11点
  • 2020年度 35.93点
  • 2019年度 36.71点
  • 2018年度 33.82点

第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【正解】【分析