2022年度大学入学共通テストの「数学ⅠA」の問題分析は次の通り。データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)、河合塾の講評を参照した。

昨年より難化、解答の方針が立てにくい問題が増加

昨年と同様、大問5問の構成。第1問と第2問が必答で第3問~第5問の中から2大問を選択する形式も同様だったが、解答群から正しい答えを選ぶ問題が減少したことに加えて、解答の方針を立てにくい問題が増加したため、困惑した受験生が多かっただろう。昨年より難化した。

第1問は図形と計量が昨年から1題増えて2題に。[2]に地図アプリを題材に山頂を見上げる角度を考察する問題が出題された。

第2問[1]は2次関数に集合と命題を融合した問題が出題された。(4)は、2つの2次不等式の解についての論理の問題であった。前設問からの誘導が少ないため、少し解きにくかったであろう。他にもグラフの変化を考えるなど、多くの内容が問われており、手際よく解答する必要がある。〔2〕は、29か国における日本語教員数や学習者数についての実際のデータを扱った問題。(4)は散布図を選ぶ問題で、平均値や相関係数からグラフを絞り込む必要があり、今までに見られない問題であった。

第4問の整数の性質は、数値が大きいため計算の工夫が求められ、後半の設問で苦戦した受験生が多かったと思われる。3つの1次不定方程式を題材にした問題。初めの1次不定方程式の解を利用して、係数のより複雑な後半の1次不定方程式の解を求める必要があった。(3)は式の形は前半のものと同様だが、なじみがなく、差がつきやすい問題であった。(4)は(3)と同様にすればよいが計算力をかなり要する。

第3問、第5問は丁寧な誘導があり、後半に難しい設問があるものの大問全体としては解きやすかった。

受験生の反応は?

難化した数学1Aは、SNSでも話題に。受験生たちのツイートによると「隣の人共通テスト数学1Aの問題破ってて草」「試験前の俺『数学1Aで満点取れないやつおるん?w』試験終わった時の俺『夢ならばどれほど良かったでしょう』」「2022年共通テスト数学1A作問者を許さない」など、苦戦したことがうかがえる声が上がった。