第1問】【第2問】【第3・4問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「地学基礎」の問題分析は次の通り。

津波の到達に要する時間など、読図に基づく考察問題が多かった。昨年よりやや易化

第2問では、グラフから津波の到達に要する時間を読み取る問題が出された。第4問では、災害の予測およびハザードマップの作成方法や、環境変動・自然災害の原因に関する理解が問われた。思考力・判断力・表現力を問う設問もみられたが、基礎的な知識を前提とする問題が中心であったため、難易は昨年よりやや易化。

大問数・解答数

昨年と比べて大問数は3から4に増加。解答数15個は、昨年から変更なし。

出題形式

語句選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年よりやや易化。

大問別分析

第1問「固体地球、地層と化石、鉱物と岩石」 (20点・やや易)

Aは断層と地球内部の層構造についての基礎的な知識を問う問題であった。Bでは地層形成順序と古生物についての基礎的な知識と考察力が問われた。問4は石炭の元となった、古生代後期と新生代の植物について問われた。新生代の植物について問われた点はめずらしい。Cは鉱物と岩石に関する基礎的な知識を問う問題であった。問6は火成岩の共通点・相違点を表すのにベン図が用いられた点が目新しい。

第2問「梅雨期の天気、津波」 (10点・やや易)

Aは日本付近で梅雨期に関わる高気圧の性質とその周りの風向についての基礎的な知識と考察力が問われた。問1は梅雨前線の北側と南側の高気圧の性質についての知識があれば解答は容易である。Bは津波が伝わるのに要する時間をグラフから読み取る問題であった。グラフは目新しいが、読み取りやすく描かれており、題意が理解できれば解答は容易である。

第3問「太陽、太陽系」 (10点・標準)

Aは太陽の元素組成と自転周期に関する問題であった。問1は太陽の主成分である水素とその起源についての基礎的な知識が問われた。問2は太陽の黒点の大きさと太陽の見かけの自転周期について、太陽の大きさに関する知識と図の読み取りをもとに計算させる問題であった。同様の内容は、2015年度センター試験本試験第3問でも出題されていた。Bは太陽系の天体に関する基礎的な知識を問う問題であった。

第4問「自然環境と災害」 (10点・やや易)

問1は地震と火山噴火の予測・予報に関する基礎的な知識を問う問題であった。問2では火山のハザードマップを作成する上で適した方法を検討する問題が出され、探究活動に取り組んだ経験があれば解答しやすかったと思われる。問3は気象災害や環境問題に関する基礎的な知識を問う問題で、正誤を判断する箇所に下線が引かれていたことで解答しやすかったと思われる。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 33.52点
  • 2020年度 27.03点
  • 2019年度 29.62点
  • 2018年度 34.13点
  • 2017年度 32.50点

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