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データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「物理基礎」の問題分析は次の通り。

スプーンを題材に、会話形式で仮説を立てて考察する問題が目新しい。難易は昨年並

スプーンを題材に、金属の比熱、密度、抵抗率の3つの物理的な性質について、会話の中で仮説を立てながら、実験を通して検証・考察する問題が目新しかった。物体の運動とエネルギー、熱、電気の分野が中心の出題で、波、エネルギーとその利用の分野からの出題は少なかった。難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数3は、昨年から変更なし。昨年17個であった解答数は16個に減少した。

出題形式

語句・文章選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「小問集合」 (16点・標準)

物体の運動とエネルギー、波の二分野から出題された。問1は、平行な線路上ですれちがう電車の相対速度の問題で、すれちがう時間は誤りやすい。問2は、糸でつるしたおもりを引き上げる運動の法則に関する問題で、運動のようすをイメージして解く必要がある。問4は、縦波についての問題で、変位と疎密の関係を図示して解く必要があり、差がついたであろう。

第2問「熱、電気」 (16点・標準)

Aは、2本の電熱線を用いた水の加熱に関する問題であった。電熱線が直列に接続されている場合と並列に接続されている場合について、水温の上昇の違いから電流、抵抗値、電圧を比較する定性的な問題であった。Bは、消費される電力と電力量に関する出題であった。問3では、エネルギーの保存に関する基本的な理解が問われた。問4での消費される電力量の計算では、2分間を120秒間に単位を変換して計算することがポイントであった。

第3問「熱、物体の運動とエネルギー、電気」 (18点・やや易)

スプーンの材質を判別するための、熱、浮力、電気抵抗の実験に関する会話形式の問題であった。1つの題材のなかで、複数の分野にまたがる出題は目新しい。問1は比熱、問2は浮力に関する定性的な出題で、浮力に関してはアルキメデスの原理の理解が問われた。問3は、針金の電気抵抗に関する問題であった。電流と電圧の比例関係のグラフから数値を読み取り、電気抵抗を計算する力が問われた。また、抵抗率と電気抵抗の間の関係式が問われた。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 37.55点
  • 2020年度 33.29点
  • 2019年度 30.58点
  • 2018年度 31.32点
  • 2017年度 29.69点

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