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データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「世界史B」の問題分析は次の通り。

― 多様な資料から、歴史上の出来事や根拠・仮説を考察する力が求められた。難易は昨年並 ―

大問数や解答数は変更なし。異なる歴史の見方とその根拠、歴史上の出来事とその要因として推測される仮説を結びつける問題など、資料の性格や統計の分析を通して、探究的に考察する姿勢が求められた。問われている知識は基本的な内容で難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数5、解答数34個は昨年から変更なし。

出題形式

昨年と同様に、資料を多面的・多角的に考察する問題が多く出題された。昨年3問出題された年代整序は出題されなかった。

出題分野

東アジアが多く出題されたが、昨年と比べて、オセアニアと東南アジアの出題が増え、西ヨーロッパの出題が減少した。時代は古代が減少し、現代史が増加した。分野では昨年と同様、政治史中心であったが、社会経済史が増加した。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「世界史上の学者や知識人」 (27点・やや易) 

Aではシーボルト、Bではハサン=ブン=イーサー、Cでは王国維を題材に、問題が展開された。問1では、それぞれの選択肢が下線部の分野に該当する著作であるかが問われた。問9では、ある民族や集団について研究する際に用いる史料が、他国が記録したものであるか否かを判断する力が求められた。

第2問「歴史上の出来事の当事者の発言や観察者による記録」 (15点・標準) 

Aではウィンストン=チャーチルの『偉大な同時代人たち』、Bではアメリカ大統領の演説の資料をもとに、テーマに沿った出題がされた。問3は、ソ連のミサイル基地建設の情報からキューバを想起できるかがポイントであった。問4では、資料から部分的核実験禁止条約を想起し、その条約の加盟国がどこであったかを考察する必要があった。

第3問「世界史上の人々の交流や社会の変化」 (24点・標準) 

Aは明治期の政治小説『佳人之奇遇』、Bは世界の人口推移、Cはオセアニアの先住民をテーマとした授業形式で展開された。問5では、人口密度に関して与えられた表や文章から必要な情報を読み取り、考察する必要があった。問7では、会話文を正確に読み取る力が求められた。

第4問「歴史評価の多様性」 (17点・標準) 

Aではジョージ=オーウェルのスペイン内戦の体験記、Bでは絵画「イワン雷帝とその息子」をもとに、テーマに沿った問題が展開された。問1では、スペイン内戦の時期を考えたうえで、満州国建国の時期を判断する問題が出題された。問3では、日本の戦時体制とファシズムを同一視するか、区別するか、それぞれの根拠を判断することが求められた。

第5問「世界史上の墓や廟」 (17点・やや易) 

Aではフランク王家の墓の説明と図、Bでは関帝廟に関する会話文を中心に、問題が展開された。問2では、文章と図を結びつけて考察し、図中の空欄ウに入れる語句を判断する必要があった。問4では、中国人移民に関する問題が出題された。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 63.49点
  • 2020年度 62.97点
  • 2019年度 65.36点
  • 2018年度 67.97点
  • 2017年度 65.44点

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