第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【第5問】【第6問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「日本史B」の問題分析は次の通り。

― 姓と苗字の違いなど、多様な資料を活用し考察する力が求められた。難易は昨年並 ―

大問数、解答数に変更はなかった。多くの文章資料に加え、略系図・年表・地図のほか、鉄道の時刻表などのさまざまな資料が用いられ、所与の資料を読み取り解釈する力が求められた。外交史の出題が増加し、文化史の割合は減少した。難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数6、解答数32個は昨年から変更なし。第5問、第6問は日本史Aとの共通問題。

出題形式

第6問を除く5大問で、生徒の学習場面や会話文が扱われ、鉄道の時刻表、年表、略系図などの多様な史資料が扱われた。年代整序問題は昨年の4問から6問に増加したが、設問形式は昨年と比べて大きな変更はなかった。

出題分野

昨年より外交史が増加し、政治史・文化史が減少した。時代の出題バランスは昨年並であった。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「人名から見た日本の歴史」 (18点・標準) 

「人名から見た日本の歴史」をテーマに、Aでは姓と苗字(名字)について、Bでは子どもの名前のつけ方についての会話文から出題された。問4は嵯峨天皇の子どもの名前の特徴とその背景に関する判断が求められた。学習した知識に加え、会話文や略系図をもとに考察する思考力が問われた。

第2問「古代の法整備の歴史と遣隋使・遣唐使の派遣」 (16点・やや難) 

古代の法整備の歴史と遣隋使・遣唐使の派遣について、政治・社会・文化・外交の各分野から幅広く出題された。問3では正倉院に残る古代の計帳の読み取りが出題され、計帳が毎年作成されること、確実に徴税するためにほくろの位置など個人の身体的特徴を記載していたことの理解が求められた。

第3問「中世の海と人々との関わり」 (16点・標準) 

中世における海と人々との関わりについての会話文に対し、外交・社会などの各分野から出題された。問5では、中世の遺跡(志苔館・鷹島)の地図上の位置が問われた。具体的な地名がわからなかったとしても、Xは「和人」、Yは「元軍や高麗軍」からそれぞれ蝦夷ヶ島、九州北部と特定できる。

第4問「近世の身分と社会」 (16点・標準) 

近世の身分と社会について高校生が調べた内容のまとめを題材に、江戸時代の政治史を中心に社会・文化の各分野から出題された。問4では、無宿人に関する報告書の読み取りと、関連する知識が問われた。単純な読み取りではなく、読み取った内容から類推する思考力が要求された。

第5問「近代における日本とハワイとの関係」 (12点・やや易) 

日本とハワイとの関係についての会話文をもとに、幕末から明治時代の外交史を中心に、文化・社会について出題された。問3は天津条約、日英通商航海条約、防穀令の年代整序問題で、具体的な歴史用語が用いられていないので、時期判断に迷った受験生もいたであろう。

第6問「鉄道の歴史とその役割」 (22点・標準) 

近現代の鉄道の歴史とその役割について社会・経済を中心に問われた。問5では、1945年から1955年の間に撮影された写真とその説明から社会背景の理解が問われた。問7では、2000年代の小泉純一郎内閣が出題された。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 64.26点
  • 2020年度 65.45点
  • 2019年度 63.54点
  • 2018年度 62.19点
  • 2017年度 59.29点

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