第1問】【第2問】【第3問】【第4問】【第5問】【正解】【分析

データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「地理B」の問題分析は次の通り。

昨年と同様に、多様な資料を用い地理的思考力が求められた。昨年よりやや易化

複数の要素を一つの図に表した資料など、多様な図表が用いられた。基礎的な知識・理解をもとに限られた時間の中で正確に図表を読解する力と地理的な見方・考え方が求められた。第2問は持続可能な資源利用をテーマとした探究活動や授業の場面設定の大問であった。全体としては、資料の読み取りに時間を要する問題がみられたものの、求められた知識は標準的な内容で、昨年よりやや易化。

大問数・解答数

大問数は5で、昨年から変更なし。解答数は昨年の32個から1個減少し、31個になった。第5問が地理Aとの共通問題。

出題形式

すべての設問において資料が出題され、地図、グラフ、写真など多様な資料が扱われた。また昨年同様、複数の素材を組み合わせる出題が多くみられた。解答形式では、昨年に引き続き8択の問題が出題された。

出題分野

昨年同様の出題構成であった。

問題量

解答数はやや減少したが、ページ数、大問数は変更なし。全体的な問題量は昨年並。

難易

昨年よりやや易化。

大問別分析

第1問「世界の自然環境や自然災害」 (20点・標準) 

世界の自然環境や自然災害について出題された。正解の判断をするにあたっては、各地域についての幅広い知識と深い理解が必要であった。問4はオーストラリアにおける気温と降水量に関して、気温と時期の判断をする問題。気圧帯の南北移動や隔海度など原理原則をふまえて考えたい。どこに着目して考えるか、地域の特徴をとらえる力が要求された。

第2問「資源と産業」 (20点・やや易) 

資源と産業について、持続可能な資源利用を題材とした授業場面の設定で展開された。多彩な資料が用いられたが、問われた内容は標準的であった。問5はいくつかの国における森林資源に関するグラフからブラジルと薪炭材を判断する問題。4つの要素を一つの図に表現した図が用いられたが、丁寧に読み解けば正解を導くことができる。

第3問「村落・都市と人口」 (20点・標準)

村落・都市と人口について、さまざまな資料を用いて出題された。資料の読み取りには時間を要したと思われる。正答の根拠を導くための知識・理解を必要とした。問3は大都市の内部構造に関する問題。設問文や既習の知識からジェントリフィケーションにより賃料が高くなることが想起できたかがポイントとなった。

第4問「ラテンアメリカの地誌」 (20点・標準)

ラテンアメリカについて、AとBの2パートによる構成で出題された。Aパートはラテンアメリカ全体について自然、エネルギー、農業、経済が幅広く出題された。Bパートはチリとニュージーランドを比較する地誌の問題が出題された。受験生には馴染みのある地域同士の比較であった。問5はチリとニュージーランドの自然条件についての共通点と相違点を判断する問題で、基礎的な知識に基づく正確な理解が問われた。

第5問「北海道苫小牧市とその周辺の地域調査」 (20点・やや易)

北海道苫小牧市とその周辺について地形図、写真など多様な資料が扱われた。地域を探究する場面設定の出題で、資料を丁寧に読み取り、活用する地理的技能が問われた。問6は地域の調査結果をもとに、1995年から2015年にかけての人口増減に関して考察する問題。市の地域ごとの人口の増減を読み取り、地域の状況に応じた問題解決の取組みを選択する力が求められた。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 60.06点
  • 2020年度 66.35点
  • 2019年度 62.03点
  • 2018年度 67.99点
  • 2017年度 62.34点

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