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データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2022年度大学入学共通テストの「倫理、政治・経済」の問題分析は次の通り。

― 今日的なテーマが扱われ資料から考察する問題が多くみられた。難易は昨年よりやや難化 ―

すべての設問が単独科目「倫理」および「政治・経済」と共通であった。「倫理」では、未来世代に対する現代世代の責任などがテーマとして扱われ、「政治・経済」では、地方自治や民泊などを切り口に、資料や文章から考察する問題が出題された。易しかった昨年と比べて難易はやや難化。

大問数・解答数

昨年と同様、大問数は7。解答数は32個(「倫理」16個、「政治・経済」16個)であり、昨年と比べて「政治・経済」で1個減少した。また、昨年と同様、「倫理、政治・経済」の独自の設問はなかった。

出題形式

昨年と比べ、問題ページ数は2ページ減少し37ページになった。「倫理」、「政治・経済」各分野ともに、連動型の問題は出題されなかった。「政治・経済」では、昨年出題されなかった8択の問題が3問出題された。

出題分野

「倫理」では、昨年同様各分野から網羅的に出題された。「政治・経済」では、政治分野・経済分野・国際経済分野から出題され、国際政治分野からの出題はなかった。

問題量

「倫理」、「政治・経済」各分野ともに昨年並。

難易

昨年よりやや難化。

大問別分析

第1問「真理と議論について」 (12点・やや易) 

「倫理」源流思想分野からの出題。昨年同様、資料から読み取れる内容を問う問題が出題された。問3はマルクス・アウレリウスの『自省録』を読み取り、空欄に入る内容を答える問題であった。

第2問「日本思想における『理想』」 (12点・やや易) 

「倫理」日本思想分野からの出題。古代から近代までバランスよく出題された。問2は本居宣長が説いた真心の内容を、身近な具体例で考察する問題。真心の内容を正確におさえていたかで差がついたと思われる。

第3問「考えることの大切さ」 (12点・やや易) 

「倫理」西洋思想分野からの出題。ルネサンス期の「魔女狩り」の絵画をめぐる会話文が展開された。問4はリード文の会話を踏まえ、レポート内の空欄に当てはまる内容を選ぶ問題。会話文の内容を正しく読み取り、整理する力が求められた。

第4問「未来世代に対する義務と責任」 (14点・やや易) 

「倫理」青年期・現代の諸課題からの出題。昨年同様、リード文や設問内の文章を読み、議論の流れを整理する問題が出題された。問1は環境問題についての出題。リード文やメモの内容を丁寧に読むことが求められた。

第5問「地方自治と法制度」 (19点・標準) 

「政治・経済」政治分野・経済分野から、「市街地活性化」や民泊を切り口に出題された。問3では、農業に関する法制度の内容の変遷を理解できていたかが問われた。

第6問「日本における経済主体の関係」 (19点・やや難) 

「政治・経済」経済分野・国際経済分野からの出題。すべての設問で思考力が問われた。問3ではマネーストックとマネタリーベースの違いについて正確な知識が問われた。問5は需要供給曲線に関する問題。災害後の調整方策の具体例を読み、それぞれの具体例によって供給曲線がどのように動くかを考察する力が問われた。

第7問「住民生活の向上と地方自治」 (12点・標準) 

「政治・経済」政治分野・経済分野からの出題。地方自治を中心に、基本的な知識が問われた。問3は地方自治の財源の構成についての知識をもとに、提示された文章を読み解いたうえで判断する必要がある。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2021年度 69.26点
  • 2020年度 66.51点
  • 2019年度 64.22点
  • 2018年度 73.08点
  • 2017年度 66.63点

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