共通テストが終了し、受験はいよいよこれからが本番! 国公立大学を志願する受験生が後悔なく二次試験に臨むために、これからの時期に取り組むべきことについて、河合塾教育研究開発本部の近藤治さんに聞きました。

自己採点結果を志望大決定に生かすには?

 

共通テストが終了したら、受験生は新聞などで公表される解答・配点をもとに自己採点を行い、その結果をもとに出願する大学を決定することになります。

実施2年目となる2022年度の共通テストは難化する可能性もあり、平均点は前年度よりも下がるかもしれません。もしも目標点に到達しなかったとしても、他の受験生も同様に得点できていないことも考えられるので、慌てて志望大を変更する必要はありません。予備校が提供している共通テスト結果を分析するサービスなども活用しながら、自分の結果を客観的にとらえたうえで、どの大学に出願するかを高校・予備校の先生や家族とよく話し合いましょう。

志望大を変更する場合は、自分が履修している科目で二次試験を受験できるかをよく確認しておくことが大切です。また、私立大学を併願する場合は、大学・学部によっては共通テスト終了後に共通テスト利用入試への出願が可能な場合もあります。

 

二次試験対策のポイントは?

出願する大学が決まったら、二次試験に向けて気持ちを切り替えましょう。大学によって入試の傾向は異なるため、二次試験対策では過去問演習が重要になります。過去問に取り組む際は、「大問1を30分で解く」というように、試験本番での時間配分を意識しながら解くことを習慣にしましょう。

この時期からは、得意科目よりも苦手科目を重点的に勉強したほうが、得点アップにつながる可能性が高まります。大学入試は、全科目で満点を目指す必要はなく、志望大・学部の合格に必要な点数を取ることができればよい試験です。苦手科目では、自分が解ける問題はどれかを見極め、その問題では確実に得点できるようにすることを心がけてください。

二次試験の記述問題では、完答はできなくても解答までのプロセスが合っていれば部分点が認められることがあります。自分の答案を客観的に分析することは難しいので、記述問題の答案は高校や予備校の先生に添削してもらうとよいでしょう。

2022年度入試ならではの注意点は?

2022年度入試は、新型コロナウイルスの感染状況によっては、二次試験で予定されている面接試験がオンラインに切り替わるといった変更が生じる可能性もあります。大学の発信する情報は常に最新のものをチェックするようにしましょう。

なお、SNSは友達などと情報交換するツールとして活用できる一方、不確かな情報が拡散されたり、さまざまな意見を目にすることでネガティブな感情や不安をかき立てられたりするおそれもあります。入試や志望大の決定にあたって悩んだときは、SNS上の情報を鵜呑みにするのではなく、高校や予備校の先生に相談するなどして正確な情報に基づいた判断をすることが大切です。

 

 

近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
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